広島・ドラ5石原、阪神・近本刺した 名刺代わりのキャノン砲 打っても2安打

 「練習試合、阪神1-7広島」(15日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座)

 広島のドラフト5位・石原貴規捕手(22)=天理大=が15日、阪神との練習試合(宜野座)で対外試合初の先発マスクをかぶり、自慢のスローイングを披露した。五回、二盗を試みた阪神・近本をストライク送球で刺し、打撃でも2安打1犠打と猛アピール。開幕1軍を目指すルーキーが、激しいチーム内競争を勝ち抜いていく。

 虎党と相手ベンチが抱いた期待を一瞬にしてため息に変えた。「緊張し過ぎることなく、試合に入れた」と新人離れした冷静さが頼もしい。「9番・捕手」で先発出場した石原貴が、昨季リーグ盗塁王の阪神・近本の快足を封じた。1軍生き残りへ、結果が求められる立場で最高のアピールに成功した。

 五回裏、1点を奪われ、なおも2死一、三塁。「走ってくると思った」と警戒していた一走・近本が初球にスタートを切った。スタンドが沸くのもつかの間、石原貴は素早く二塁へストライク送球し、相手の攻撃は終了。「いいボールを投げられて良かった」と虎党の歓声を自身の右肩でかき消した。

 キャンプでは倉バッテリーコーチと、自慢の送球にさらなる磨きをかけている。スローイング時に左足が突っ張るため「下半身でしっかり投げる」ように指導されてきた。その成果を試合の中で示した。刺した相手が近本ということにも大きな価値がある。

 バットでは二回、2死一塁で横山が投じた内角直球にうまく反応し、左翼への二塁打。四回は1死無走者で中田から中前へ運んだ。前日14日、ロッテとの練習試合では初球から2球続けて見逃し、追い込まれて4球目に三振。朝山打撃コーチから「振っていくのをやっていこう」と助言され、好結果につなげた。

 七回に代打を送られ途中交代。「最少失点で終わっているところ」と3投手をリードして1失点にとどめた点に、捕手らしく少し胸を張った。ルーキー捕手の躍動に佐々岡監督も「送球も良かったし、奨成(中村)もいる中、結果を出して自信にしてほしい」と背中を押す。中村奨とは1軍捕手枠を争うライバルで、アピールを続けることが生き残りの条件にもなる。

 兵庫県宝塚市出身の22歳は、地元球団の阪神との対戦に「応援がすごいけど、やりにくいとかはない」と笑った。「このまま1軍に残って開幕を迎えるのが一番」と石原貴。猛虎を相手に急上昇させた自身の株をさらに上げ、1軍切符をつかみ取る。

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