広島・小園イケる!開幕三塁 無観客でもハッスル3戦連続H、守備も軽快

 「オープン戦、中日3-1広島」(29日、ナゴヤドーム)

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オープン戦史上初の無観客開催が実施された。静寂に包まれる中、広島の小園海斗内野手(19)は七回に中前打を放ち、オープン戦3試合連続安打をマーク。守備では四回からオープン戦初の三塁の守備にも就いた。新助っ人ピレラが三塁守備に不安を抱える中、打撃好調な若鯉が三塁手として初の開幕スタメンに名を連ねる可能性が現実味を帯びてきた。

 びっしりとむき出しに並んだ椅子が、その異様な雰囲気を物語っていた。新型コロナウイルスの感染拡大防止策として無観客で行われた一戦。そんな中、小園が静寂を切り裂く。七回、又吉から中前打を放った。

 「アピールしないといけない立場なので」

 右腕が投じた初球。真ん中低めのスライダーを迷うことなく振り抜いた。力強いライナー性の打球が内野手の頭上を越えた。持ち味の積極性で、好調ぶりを印象づけた。

 これでオープン戦は3試合連続安打となった。2月23日の阪神戦で二塁への内野安打を放つと、同24日の巨人戦では一発を含む3打数3安打。そしてこの日と猛アピールが続くが、復活を目指す田中広の状態がよく、実績なども考慮すると、小園が遊撃で出場するのは現実的には難しい状況だ。それでも非凡な打撃は魅力。首脳陣は他ポジションでの起用も視野に入れている。

 これまでのオープン戦では途中出場して二塁と遊撃手を守った小園だが、この日は公式戦、オープン戦通じて自身初めて四回から三塁に就いた。六回無死一塁では高橋が打ったゴロを難なく処理し、二塁に送球。軽快なグラブさばきで封殺した。春季キャンプでもノックを受けてきた守備位置。「練習もやっていましたし、イメージのままできた」と納得の表情を浮かべる。

 この日も新助っ人のピレラが三塁でスタメン出場したが、三回に平田の平凡な打球を処理後に悪送球。一塁手の堂林がジャンプしても捕れないほどの送球で、無死二塁のピンチを招いた。以前の練習試合でも失策をするなど、三塁守備に不安を抱えている。高ヘッドコーチは「ちょっと実戦に入ってからミスが多いね」と渋い表情をのぞかせ、「まだまだ、決まっていない」と正三塁手白紙を強調。首脳陣は今後もピレラを三塁で起用する方針だが、本当に三塁で使えるのか、本職の外野で起用した方がいいのか見定めていく。

 小園としては遊撃手として出場するのが目標だ。しかし朝山打撃コーチは「いろんなポジションで出ても得るものはある。見え方が違うし、絶対にプラスになる」と遊撃以外での出場を後押しする。「がむしゃらにやって(スタメンを)絶対に勝ち取れるように頑張ります」と小園。“開幕三塁”も視野に、背番号51は貪欲にレベルアップに励んでいく。

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