広島フランスア 守護神奪う!三つどもえ争いの大本命が帰ってくる 18日・2軍戦で実戦復帰
広島の投手指名練習が16日、マツダスタジアムで行われ、体調不良で離脱していたヘロニモ・フランスア投手(26)が参加した。ブルペンでの投球練習も再開し、復調をアピール。18日に2軍練習試合の中日戦(由宇)で実戦復帰する見込みだ。守護神争いで一歩後れを取ったが、開幕延期を追い風に、その座をつかみ取る。
力強い球がミットに吸い込まれた。マツダスタジアムのブルペンで、フランスアが投球練習を再開した。直球、スライダー、チェンジアップなど全球種を織り交ぜて45球。ブランクを感じさせない、腕の振りだった。
「久しぶりだったけど問題はない。構えたところに投げられたし、スピードも出ていた」。全ての練習を終えた左腕は、充実感を漂わせながら言葉を紡いだ。
体調不良で8日の練習を欠席。9日を完全休養に充て、10日からキャッチボールやノックなどで体を動かした。前日15日から1軍に再合流。ブルペンでの投球練習は、この日が復帰後初めてだ。
見守った横山投手コーチは「休んだ影響はなさそう。6割くらいの力で投げるのかなと思っていたけど、それ以上の力で投げてくれた。(試合で)投げられるレベルにあると思う」とうなずいた。
チームはオープン戦12試合を終え、守護神を決めきれなかった。DJ・ジョンソンは3試合連続で失点するなど防御率7・71と安定感がなく、スコットも決定力に欠けた。抑えの確立はチームの最重要課題。首脳陣は4月10日の開幕を視野に入れ、3月いっぱいをメドに今季の守護神を決める方針だ。
大本命とされた左腕は春季キャンプから状態が上向かず、オープン戦はわずか2試合の登板。前回6日の西武戦では1回2安打1失点と精彩を欠いたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕は延期。空白期間を最大限に生かしていく。
18日の2軍練習試合・中日戦(由宇)で実戦復帰する予定で「まずはストライクゾーンに投げ込んで抑えていきたい」と静かに闘志を燃やした。
今季の希望ポジションを問われると、日本語で「センパツ」とジョークで笑わせた。佐々岡監督はクローザーの理想像を「強い球を投げられ、三振が取れる。体と心も強くなければ」と話している。過去2シーズンで修羅場をくぐり抜けた経験と、三振を奪える剛球がフランスアの強み。抑えのポジションを必死で奪い取る。