広島・九里、開幕ローテラストバトル勝ち抜く 薮田、遠藤と残り2枠

 「2軍練習試合、広島2-1中日」(19日、由宇練習場)

 開幕ローテを巡るラストバトルの号砲が鳴った。広島の佐々岡真司監督(52)が19日、山口・岩国市の由宇練習場で行われた2軍練習試合・中日戦を視察。開幕ローテは現在、大瀬良、K・ジョンソン、ドラフト1位・森下(明大)が確定、床田が濃厚だが、この日好投した九里と遠藤を、今後は1軍で登板させ、薮田を含めた3人で残り2枠を競わせることを決断した。

 2軍の練習試合を視察した佐々岡監督が、ゲームセットとともに今後のローテ争いに言及した。先発で好投した九里の1軍昇格を即決断。3番手で登板し、粘りの投球を演じた遠藤も再び1軍のマウンドに上げることを決めた。残り2枠を巡るラストバトル。ローテ争いは最終局面に入る。

 「(九里)本人には先ほど言いました。あした(20日)から(1軍に)呼びます」

 5日の教育リーグ・ソフトバンク戦で3回1/3を5安打3失点、7四球と乱れ、2軍再調整を命じられた九里が本来の輝きを取り戻した。「強い球をストライクゾーンに投げようと思った」。四回2死一塁では、この試合まで2試合連続安打中のドラフト1位・石川昂(東邦)を三ゴロに仕留めた。この日は4回を無四球の3安打無失点。最速144キロの直球を軸に攻め続けた。

 六回から登板した遠藤も攻撃的な姿勢を貫いた。1失点し、なおもピンチの七回1死満塁では、ドラフト4位・郡司(慶大)をチェンジアップで空振り三振。傷口を最小限に食い止めた。九里がアピールに成功した後のマウンドで、重圧がのしかかる絶体絶命の場面で見せた粘り。「亜蓮さんに負けられない」。強い気持ちで右腕を振った。

 開幕ローテは大瀬良、K・ジョンソン、森下が決定。床田も濃厚だ。残りは2枠。九里、薮田、遠藤の3人が1軍での“ガチンコ対決”でその座を争うことになる。

 現時点で最短の開幕日とされる4月10日まで、20日から行われる12試合の練習試合は不規則な日程だ。1週間で5試合の週があれば、4試合のときもある。ローテ決定組は等間隔での調整が予想される一方で、3人の候補組は1試合の中で2人が登板せざるを得ない可能性も出てくる。

 それでも「全員を呼んでね」と指揮官。2軍が練習試合を行っている中、3人を1軍で起用するのには狙いがある。「危機感、競争意識を持ってやってくれたら」。自らをふるい立たせ、居場所を勝ち取れというメッセージだ。

 投手陣の整備がチームの懸案事項。佐々岡監督の熱い思いを、力に変えないわけにはいかない。

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