広島スコット3連続K 猛アピール!フランスア、DJとの新守護神争いリード
「練習試合、広島1-3中日」(21日、マツダスタジアム)
広島の新助っ人、テイラー・スコット投手(27)が21日、中日との練習試合で八回から登板。キレ味抜群のスライダーで3者連続空振り三振に仕留める完璧な投球を披露した。今後はさらに制球を磨き上げ、新守護神の座を手繰り寄せる。
圧巻の“奪三振ショー”だった。精かんなマスクをほころばせたスコットが、青空の下で躍動した。「しっかりと真っすぐを低めに投げようと意識した。スライダーの調子が良かったので頼った。スライダーはキレもあったし、仕上がっていると思う」と充実感を漂わせた。
鮮やかな14球だった。まずは先頭の平田。テンポ良く追い込むと、最後は外角低めにスライダーを投げ込み空振り三振。続く武田に対しては全てスライダーで3球三振。軽快なマウンドさばきで勢いに乗ると、続く高橋はフルカウントから外角低めボールゾーンに沈むスライダーで手玉に取った。変化球を低めに集める丁寧な投球。1球も前に飛ばさせない完璧な内容で打者を翻弄(ほんろう)した。
佐々岡監督は「スライダーのキレはある。真っすぐにも力があった」と評価。沢崎コーチも本来は打たせて取るタイプの投手と前置きした上で、「(スライダーを)低めに投げられれば、三振は取れる」とうなずいた。
新守護神候補にはフランスアやDJ・ジョンソンがいる。前者は体調不良から復帰したものの、オープン戦では2試合の登板にとどまり、防御率は4・50。後者はこの日2失点を喫するなど不安定な内容が続いている。一方、スコットはオープン戦で6試合に登板し、防御率3・00。依然、し烈な争いが続いているものの、結果を残したことでさらにリードを広げている。
見通しは不透明だが、4月10日の開幕になれば、3月末をめどに抑え投手が決定する見込み。スコットは「自分では決められない。セットアッパーでもクローザーでも任せられたところでベストを尽くしたい」とあくまでフォアザチームの精神を貫く。
好調の要因を「低めにストライクが集められていることに尽きる」と分析する。しかし、「真っすぐとツーシームの精度を上げていきたい。球速は後からついてくるし、まずはコントロールの部分に集中したい」と反省も忘れない。
「0を刻むことを心掛けながら臨んでいる」。頼もしい新助っ投がカープ救援陣の大きな支えとなる。