広島・鈴木誠、豪弾 あっという間に左翼5階席!連続無得点も連敗もぶっ飛ばした~!
「練習試合、オリックス6-10広島」(6日、京セラドーム大阪)
広島の鈴木誠也外野手(25)が6日、「4番・右翼」で先発出場し、三回に豪快な逆転3ランを放った。2分けを挟んで対外試合13連敗中、22イニング連続無得点だったチームの暗いムードを払しょくする、価値ある一発で、チームの連敗ストップにひと役買った。対外試合での本塁打は3月22日の中日戦(マツダ)以来。主砲が開幕へ向け状態を上げていく。
充満していた停滞ムードを、主砲が一振りで吹き飛ばした。並の打者ではマネできない芸当を、この男は平然とやってのける。「4番・右翼」で先発出場した鈴木誠が豪快な3ランを放った。「感触は良かったです」。試合前の時点でチームは2分けを挟み、対外試合13連敗中。さらに22イニング連続無得点と、出口の見えないトンネルの中にいた。そんな重苦しい雰囲気を背番号1が振り払った。
三回1死一、二塁の好機で巡ってきた第2打席だった。オリックス先発・田嶋の内角低め135キロ直球に、鍛え抜かれた肉体がうなりを上げる。体を瞬時に回転させてバットを振り抜くと、甲高い衝撃音を響かせ高々と宙を舞った白球は瞬く間に左翼スタンド5階席へ。打った瞬間、誰もがスタンドインを確信させる目の覚めるようなアーチは、まさに4番の一発だった。
初回は無死満塁の絶好機で、外の変化球に見逃し三振。「自分の仕事ができなかった。そこは反省したい」と唇をかむ。手放しで快音を喜ぶことなく、公式戦なら命取りになりかねないチャンスでの凡退を、次戦に生かしていく。
チームは2試合連続完封負けで、前日5日はわずか1安打で敗れた。練習試合だが「試合をやっている以上、よろしくない結果」と負の連鎖が続いた状況を受け止めた。悔しさを糧に、前を向いてプレーする大切さを、鈴木誠は知っている。「みんな色んなことを考えているから、こういう試合もできる」。
これまでのモヤモヤを吹き飛ばす13安打4発。チーム全員の思いが打線爆発、連敗ストップにつながった。佐々岡監督も主砲の一発に「チームの雰囲気を変えるのが4番だし、1打席目があったけど、すぐに返したことが大きかった」と最敬礼した。
開幕が近づき「色んなことが、まだかみ合っていない。19日までにかみ合わせないといけない」とうなずく。無観客で幕を開けるペナントレース。「テレビで見ているファンの人たちのために、しっかり仕上げていきたい」。ナインの士気を高める一発を放った主砲が、ますますギアを上げていく。