広島・大瀬良、球団15年ぶりの完投&開幕弾 エースが佐々岡監督に初星贈った

 「DeNA1-5広島」(19日、横浜スタジアム)

 新型コロナウイルスの感染拡大で延期が続いていたプロ野球は19日、当初の予定から約3カ月遅れでセ、パ両リーグ公式戦が開幕した。広島は2年連続開幕投手を務めた大瀬良大地投手(29)が、1失点完投で佐々岡監督に初陣星を贈った。自身2年連続の開幕戦勝利で、チームでは05年・黒田博樹以来15年ぶりの開幕戦完投。九回にはプロ初本塁打を放つなど投打で躍動し、覇権奪回へエースが力強い一歩を踏み出した。

 ぬかるんだマウンドでも、最後までペースは乱れなかった。雨中の開幕戦。女神が最後にほほ笑んだのは、勝利を信じて一心不乱に投げ続ける大瀬良だった。チームを引っ張る存在になり、新指揮官に初勝利を届けると決めていた。116球の力投。12球団最速となる完投でチームの白星発進に大きく貢献した。

 敵地での開幕戦は、雨のスタート。予定より32分遅れてプレーボールとなった。「真っすぐが走っていなかった」と右腕。雨の影響を受けたマウンドを踏まえ、力を入れず「力を抜いて低めにコントロールしようと」と投球を組み立てた。

 二回はロペスにソロを浴びたが、その後は三回から六回まで全て三者凡退に斬った。開幕延期期間にシュートを改良し、手応えをつかんでいた。開幕前の実戦では左打者にしか投げていなかったが「初球から振ってきている」と相手打線を洞察し、右打者にも“ぶっつけ”で投げ込んだ。試合状況、敵軍の傾向を冷静に分析してアウトを重ねる姿が実に頼もしい。

 開幕前に行う恒例の験担ぎが、大瀬良にはある。開幕前と球宴休みの時期に、球団OBで背番号「14」の大先輩、故津田恒美氏(享年32)が眠る墓を訪れて手を合わせる。

 だが異例のシーズンとなった今年は、それができないまままま開幕の日を迎えた。「県をまたぐのは難しいので、今回は自粛した。それが験担ぎというかルーティン。いつも開幕前とオールスター休みの時に(行く)。県をまたぐことがOKになれば時間を見つけて、あいさつに伺おうと思っています」と話す。

 九回にはプロ初本塁打。広島の投手が開幕戦で本塁打を打つのは40年ぶり2人目。「いつか打ちたいと思っていた。こういう試合で打ててうれしい」。魂を受け継ぐ「炎のストッパー」へ、今季初勝利の他にうれしい報告が増えた。

 佐々岡監督に初陣勝利を贈り「プレゼントしたいと思っていた」とうなずく。目指すは昨季4位からの巻き返しだ。「素晴らしいシーズンにしていきたい」。大黒柱が最高のスタートを切った。

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