安仁屋氏、カープ森下の交代に疑問「まだまだ余力」 スコットには「抑えは厳しい」
「DeNA2-1広島」(21日、横浜スタジアム)
広島のドラフト1位ルーキー森下がプロデビュー戦で7回4安打無失点と力強い投球を見せた。しかし、守護神のスコットが九回に打たれ、プロ初勝利は手にできなかった。
デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は、150キロ超を連発した森下の投球を「8三振奪ったが、すべてが空振り三振だったことを見ても球のキレや球威は抜群だった。カーブやカットボールなどの変化球もうまく織り込んだ会沢のリードも素晴らしかった」と絶賛。「それだけに勝ち星を付けてあげたかった」と森下の胸中をおもんぱかった。
七回を終えての交代は果たしてどうだったのか。安仁屋氏は「球数は100球を越えていた(104球)が、七回も150キロを超える球を投げて2三振を奪うなど、まだまだ余力は残っていた。点を取られていたのならまだしも無失点だし、三回以降は1安打に抑えてピンチらしいピンチもほとんどなかったことを考えれば、八回以降も投げさせても良かったんじゃないか」と交代に疑問を呈した。
安仁屋氏も現代の野球は分業制の時代であることは十分に理解している。ただ、そこにこだわりすぎると時には状況判断を見誤ることもあるという。「先発は100球がメドというチーム方針があるのかもしれないが、必ずしもそこに縛られる必要はない。投手の状態を見て臨機応変にやればいいと思うし、先発投手にどうしたいのか意見を聞いた上で判断してもいいと思う。投手も『まだいける』と思った時は伝えた方が良い。森下はまだ新人なので、なかなか自分の意見は言えないと思うが…。自分が打たれて負けたのなら納得もいくが、この日のような結果に終わればモヤモヤしたものしか残らない」と続けた。
新守護神のスコットについては「球が高く、キレもないから簡単に逆方向に合わせられて連打を重ねられた。本来は低めに球を集めて打たせて取るタイプだが、その持ち味が消えている。前日(20日)とこの日の内容を見る限りは、今後も抑えで起用し続けるのは厳しい」と語った。