広島・九里 巨人打線を圧倒 7回2安打9Kの圧巻投球 佐々岡監督「良すぎて怖い」
「広島5-1巨人」(24日、東京ドーム)
鬼気迫る表情だった。5-1の七回2死満塁、広島・九里は代打・石川と対戦した。適時打を許せば点差が縮まり、上位打線につながる試合の分岐点。「絶対に抑えようと思った」。強い思いで右腕を振り、中飛に打ち取った。
持ち味を出し切った今季初登板だ。ストライクを先行させ、巨人打線を手玉に取る。ゴロを打たせる投球に加え、六回まで毎回の9奪三振。佐々岡監督が「球が強かった。良すぎて怖いと思った」とニッコリするほど、抜群の安定感だった。
セットポジションから始動するフォーム。延期期間中に左足を一度小さく引いてから投げ始めるよう改良した。右腕は「リズムが出るように」と説明。ストライクゾーンにテンポよく投げ込み勝負するスタイル。小さな変化でも効果は絶大だった。
打撃では今季初安打こそなかったものの、四回2死一塁での遊ゴロで一塁へ全力疾走した。がむしゃらな姿勢に勝利への執念が詰まっていた。
7回118球を投げ、2安打1失点(自責点0)で今季初勝利。開幕ローテを最後につかみ取った右腕は巨人の開幕連勝を4で止めた。「球数を減らして、長い回を投げられるようにしたい」。チームを勝利へと導きながら、先発を一年間、守り抜く戦いが始まった。