広島・堂林17年以来1121日ぶり弾 プリンス覚醒!今季早くも3度目マルチ

 「巨人5-5広島」(25日、東京ドーム)

 懐かしい感触が両手に宿る。広島の堂林翔太内野手(28)が二回、東京ドームの左翼席上段の壁にブチ当てる特大の今季1号2ラン。3年ぶりの本塁打と七回の中前打を合わせて、早くも今季3度目のマルチ安打。今季両リーグ初の引き分けに終わったが、プロ11年目を迎えた鯉のプリンスが目を覚ました。

 鈍い衝撃音が球場に響き渡った。さっそうとダイヤモンドを一周した堂林は「無我夢中でした。チャンスでしたし、次につなごうという気持ちでした。最高の結果になった」と喜びをあらわにした。

 二回、今季初スタメンの坂倉が左線二塁打で好機を演出した2死二塁で先発の桜井と対峙(たいじ)。2球で追い込まれたが、ボール球を見極めながらフルカウントからの7球目。打った瞬間にスタンドインを確信する強烈な打球は、左翼席上段の壁を直撃する今季1号の先制2ラン。2017年5月31日の西武戦以来、3年ぶりとなる一発になった。佐々岡監督は「先発が右でも使っているし、起用に応えてくれた」と賛辞を贈った。

 1点を追った七回にも沢村の直球を中前にはじき返して早くも今季3度目のマルチ安打。「先頭なので、何でもいいので塁に出たかった」。この回チームは3点を挙げて一時逆転。惜しくも今季初の引き分けに終わったが、流れを呼び寄せる一打となった。

 苦悩の日々を過ごしていた。3年目の2012年から毎年1軍出場を果たしたが、昨季は自身最少となる28試合の出場で打率・206。満足いく結果を残せていなかった。

 「打たないといけない」。11年目となる今季はそう覚悟を決め、一念発起した。昨オフには後輩の鈴木誠に弟子入りを志願し、自主トレに参加。キャンプ期間では球団OBである新井貴浩氏の打撃フォームを参考にするなど打力向上に励んだ。努力を重ねた結果、オープン戦で打率・381をマーク。6月の練習試合でも存在感を示し、6年ぶりとなる開幕スタメンに名を連ねた。

 1号弾は自身が課題にしていた変化球を捉えてのもの。開幕までの間、打撃練習では変化球の配分を多くした“ミックスボール”を数多く打つことに取り組み、3年ぶりの一発につながった。

 「(開幕カードの)横浜(DeNA)戦からチャンスでなかなか一本が出なかったので良かった。毎日結果を出すことに必死です」と言葉を紡いだ背番号7。今後も必死のプレーで鯉党を沸かせていく。

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