広島・鈴木誠 ドアラ襲撃弾含む2打席連発「自分ができることを」開幕7戦5発

 2回、先制ソロを放ち、ナインの出迎えに笑顔を見せる鈴木誠也
2枚

 「中日1-4広島」(26日、ナゴヤドーム)

 規格外の男が、また打った。広島は中日に完勝。主砲・鈴木誠也外野手(25)が今季2度目の2打席連続本塁打を放つなど、今季初の猛打賞でリーグ三冠王に君臨した。開幕7試合で早くも5発と手が付けられない状態で、投げてはエース・大瀬良が球団では84年の北別府学氏以来となる開幕からの2試合連続完投勝利。エースと4番が仕事を果たしたチームが、V奪回へ再加速していく。

 球場に響いた2度の衝撃音が“負のイメージ”を完全に払しょくした。鍛え抜かれた鈴木誠の両腕に叩かれた打球が、弾丸ライナーでスタンドへ届く。沸き上がる三塁ベンチ、落胆する大野雄。主砲が、早くも今季2度目となる2打席連続弾で苦手左腕を粉砕した。

 驚きの幕開けは、先頭で迎えた二回の第1打席。フルカウントから大野雄の低めツーシームを捉え、低い弾道で左中間スタンド最前列へ運んだ。先制ソロで波に乗ると、続く四回の第2打席が圧巻だった。

 「ファーストストライクから積極的に打ちにいきました」と1ボールからの145キロ直球をフルスイング。打球は弾丸ライナーでバックスクリーン左へ伸びていき、たまたまその場所で試合を見ていた中日のマスコット・ドアラを襲った。

 強烈な勢いで飛んでくる白球に慌てふためくドアラは、間一髪で腰をくねらせて直撃を回避。思わず「セーフ」のジェスチャーを繰り出すほどの強烈なアーチに、鈴木誠は納得の表情でダイヤモンドを回った。

 七回にも左前打を放ち、今季初の猛打賞。開幕から7戦5発と大暴れの主砲は打率・462、5本塁打、9打点で堂々のリーグ三冠王に躍り出た。

 大野雄には昨季「いいところに投げられて打てなかった」と15打数2安打、打率・133と苦しめられた。本塁打はおろか、打点も挙げていなかった相手に示した最高の結果。無観客での開幕を前に「いざ(応援が)なくなって寂しいな、という思いが強い」と心境を口にしていた。

 だが「シーズンが始まると関係ない」とキッパリ。開幕延期期間での練習では、時間を見つけてロングティーも敢行した。「暇だったので」と笑ったが、自身の感覚と対話する時間が間違いなく天敵攻略へつながった。

 佐々岡監督は「4番が打ってエースが投げて、理想の形だった」。チームは昨季4勝8敗と鬼門の敵地で白星発進。「チームのために自分ができることをやりたい。試合に出る以上、年齢は関係ない」と鈴木誠。頼もし過ぎる25歳がチームを押し上げる。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

広島カープ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス