堂林しびれる大仕事!逆転満塁弾 カープ連敗ストップで今季本拠地初勝利
「広島6-3DeNA」(8日、マツダスタジアム)
鯉のプリンスが試合を決めた!広島は逆転勝ちで本拠地初勝利、連敗を4で止めた。1点ビハインドの八回に堂林翔太内野手(28)が値千金の満塁弾をバックスクリーンへ運んだ。自身6年ぶり2本目のグランドスラムで、試合を決めた。打率・415で首位打者にも躍り出た背番号7が、バットでチームをけん引していく。
打球の行方を確信すると、堂林はベンチに向かって小さく拳を握った。殊勲のグランドスラムにチームメートが沸き、一塁ベンチはお祭り騒ぎ。ダイヤモンドを一周し、本塁を踏むと同時に両手を合わせて喜びを表現させた。「チャンスだったのでランナーを返す、その気持ちだけで打席に入りました」。14年4月19日のDeNA戦(横浜)以来、6年ぶり2本目の満塁弾で試合を決めた。
七回表に逆転され、1点ビハインドとなった八回裏だった。1死から安打と2四死球で満塁。この絶好機、1ボールから147キロを空振りしたが「切り替えて」と打席の中での邪念は振り払った。そしてパットンの3球目、148キロを完璧に仕留め、バックスクリーンに運んだ。
マツダスタジアムでは6年ぶりの一発。三回にも同点適時打。昨年、プロ入り最少の28試合の出場に終わった男は、開幕から好調を維持し、ついに首位打者にも躍り出た。
開幕延期の伴う練習期間。堂林にとっては調整の場ではなく、自身を高める挑戦の時間だった。「限られた時間ですが、100%の力では振るように」と持てる力を全て発揮することを心掛けてきた。
「合わせて振っても僕にとっては、あまりプラスではない」と、春季キャンプ時のような全力スイングに注力してきたことも、好調、現在の8試合連続安打と好調につながっているに違いない。
出場機会を求め、4日の阪神戦から三塁の守備にも再挑戦。初回に送球ミスがあったものの、その後の守備機会は無難にこなした。「形はどうであれ、泥臭く、シンプルな気持ちでいきました」と振り返った。ヒーローの一打に佐々岡監督は「最高の形で打ってくれた。しがみついてでも、やりたい気持ちがバットに出ていた」と賛辞を惜しまなかった。
神話ダ~ン
堂林が本塁打を放った試合は13年7月26日から1分けを挟んで14連勝中。「結果を残す気持ちだけで、必死です」。背番号7が打てば、チームとファンが笑顔になる。泥臭く、執念を燃やしていく。