白血病で闘病の広島OB・北別府氏が退院 山場の末梢血幹細胞移植「きつかった」

 1月に成人T細胞白血病を公表し、闘病生活に入っている広島OBの北別府学氏(62)が11日、末梢血幹細胞移植を終えて広島市内の病院を退院した。5月初旬に3クール目の入院で移植をしてからは苦しい日々が続いた。約2カ月ぶりに病院を出た通算213勝右腕は「何とか帰れました」と今後は自宅から通院治療を続け、完全復活を目指す。

 北別府氏の退院を祝うようにまぶしい太陽が輝いていた。「何とか帰れました。長かった」と2カ月以上にわたる入院生活から解放され、空をみやった。

 1月に病気を公表し、闘病生活に入った。2クールの化学療法は「大したことはなかったんで」と順調だった。それが3度目の入院で治療の山場である末梢血幹細胞移植を5月19日に終えると苦しい闘病となった。「想像以上に長く、きつかった。皆さんは(退院が)意外と早かったねというけど、本人にとっては2カ月が3カ月にも思えた」と苦しい日々を振り返った。

 寝たきりの状態から体力が落ち「膝が痛い」と車いすでの退院となったが、白血病は快方に向かっている。12日には63歳の誕生日を迎える。「誕生日までに(退院は)無理かなと思っていたけど、先生が配慮してくれて間に合った。62歳はいいことなかったけど、63歳はいいことがあれば」と話した。

 今後は通院しながら自宅で療養する。妻・広美さんや長女・優さんらと車で自宅に向かった北別府氏。「同じ病気をされている人もいると思うし、元気になりますという姿を見せられればと思う。まず退院することで自分も家族もうれしい。頑張れば何とかなる。半分はクリアした感じですかね」。テレビ出演や実況での完全復帰を目指す。

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