広島ドラ1森下2勝目 大瀬良以来の新人10K!復帰登板で圧巻虎狩り

 「阪神2-4広島」(23日、甲子園球場)

 頼れる男が帰ってきた!広島は逆転勝ちで2分けを挟んでの連敗ストップと一夜で最下位脱出に成功した。立役者は復帰登板のドラフト1位・森下暢仁投手(22)=明大=だ。初回にプロ初被弾で2点を失ったが、その後は安定感抜群の投球を見せた。6回を4安打2失点、自身初の2桁奪三振の力投でプロ2勝目を手にした。

 三塁ベンチ前でキャッチボールをしていた森下は、両手を高く上げて体全体で喜びを表現した。好投を続けながら、援護がなかった試合展開。六回にピレラの満塁弾で逆転に成功し、我慢が報われた。「うれしかったです」。6回を4安打2失点。復帰登板でのプロ2勝目は圧巻の10奪三振で、球団新人では14年・大瀬良以来というおまけも付いた。

 初回だけだった。2死一塁から4番・大山にバックスクリーン左へプロ初被弾。「これ以上、点を取られてはいけない」と割り切れた。威力ある速球とカットボール、チェンジアップを低めに集めた。カーブも中盤から精度が高まり「コースだけは間違わないように意識した」と好投の要因を振り返った。

 相手先発は藤浪で“ドラ1対決”にも注目が集まっていた。「高校の時に甲子園で見ていた投手。投げ合えて『プロ野球選手になったんだな』という実感があった」と試合後は感慨深く話したが、マウンドではチームの勝利だけを考えて腕を振った。チームの連敗ストップと最下位脱出はもちろん、原動力になったのは先輩と後輩の存在だった。

 甲子園は大分商時代の15年、U-18W杯に日本代表として登板して以来。母校は8月の甲子園での交流試合に出場予定。この場所で野球ができることは当たり前ではない。それを実感するからこそ、先輩として「甲子園で試合ができるみたいだし、後輩にもいい流れをつくってあげたい」と意気込んでいた。

 マウンドでは有言実行の好投だった。前日22日には明大の先輩、野村が今季初先発。勝敗はつかなかったが、粘りの投球を披露していた。先輩右腕に刺激を受け「祐輔さん(野村)と一緒に勝てたらいい、というのがあった」。もちろん今後は「これからも一緒に投げられるように頑張っていきたい」と“明大コンビ”でのチーム浮上に意欲満々だ。

 阪神戦今季初勝利に佐々岡監督も「試合をつくってくれた」と評価。さあ巻き返しへ-。上位進出には、頼もしい背番号18の存在が欠かせない。

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