育成出身の広島・大盛 プロ初安打!泥臭く全力疾走で内野安打「僕らしくて良いです」
「DeNA6-10広島」(26日、横浜スタジアム)
歯を食いしばった。二塁手の前に転がったボテボテの打球に広島・大盛穂外野手が全力疾走する。最後は目いっぱい右足を伸ばし一塁を踏む。決して完璧な当たりではない。プロ初安打は泥臭くもぎ取った二塁内野安打だ。
「積極的にいこうと思っていた。足で稼いだヒットは僕らしくて良いです」
五回1死から代打で打席へ。外角ボール気味のシンカーを引っかけながら安打に変えた。2軍では赤松外野守備走塁コーチに指導を受け、走力に磨きを掛けてきた。結果に結びついた。
「僕はO脚。『こうやって走るんだ』と実際に走ってもらった。足が地面に着いたら次の足がもう出てくるイメージです」
2軍では19試合で打率・320、1本塁打、6盗塁と結果を残し24日に初めて出場選手登録された。広島の育成ドラフト出身野手で、広島在籍時に安打を記録したのは、05年度育成1位で入団した中谷翼が10年に放って以来となる。
アマチュア時代は無名。社会人でのプレーを目指し、大学4年時に受けた社会人8社は全てに不合格した経験がある。苦労を乗り越えて放った大きな一打。「スカウトの人に感謝したい。記念球?両親にプレゼントします」。その瞳は誰よりも輝いていた。
◆大盛 穂(おおもり・みのる)1996年8月31日生まれ、23歳。大阪府出身。180センチ、71キロ。右投げ左打ち。外野手。背番号59。今季推定年俸500万円。飛龍から静岡産大を経て、2018年度育成ドラフト1位で広島入団。19年11月に支配下契約。プロ2年目の20年7月24日・DeNA戦(横浜)で初出場(代打)。