【新井貴浩氏の眼】西勇攻略へあえて発想の転換も必要 

 「阪神4-0広島」(11日、甲子園球場)

 先発の床田はいい投球だった。約1カ月ぶりの1軍マウンドで気合も入っていただろうし、緊張もあったと思う。その中で5回を2失点とよく踏ん張った。初回、サンズに浴びた先制打も内角をしっかり攻めたが、それをうまく右前へ打ち返されたもの。好調なサンズの打撃が上回ったものだった。

 一方、打線は西勇に完封を許した。これで今季の西勇との対戦成績は0勝3敗。昨季も1勝4敗と苦戦しており、なかなか打てない状況が続いている。打撃コーチもスコアラーからの報告やデータを分析して対策を練っていると思う。例えば球種を絞ったり、あるいはコースを絞ったり、高めだけを打つように指示を出すなど、いろいろな策を立てているだろうが、それが結果に結びついていない。

 西勇は武器であるシュートのイメージが強く、横の変化で勝負するタイプのような印象を持たれがちだが、私は緩急を得意とする投手だと見ている。変化球の軌道が独特で、甘く入ってきたとしても、なかなか打者の手元にボールが来ない。元々、投げミスの少ない投手ではあるが、そのわずかな投げミスでさえも打者はタイミングが合わず、前に出されてしまう。

 今後、どう攻略していけばいいのか。一つの手としては、打者は詰まらせるくらいのつもりで打席に入ってみてはどうか。打者心理としては詰まるのを嫌がる習性があるが、あえて勇気を持って、詰まってもいいぐらいの感覚で臨んだ方が自分のスイングができるのではないだろうか。始動やタイミングを遅らせるのではなく、そこは同じままで意識だけを変えてみてもおもしろい。まともにいっても攻略できない時は、あえて発想の転換をすることで突破口が開けることもある。(デイリースポーツ評論家)

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