広島の4番・鈴木誠は復調できるのか 北別府氏がきっかけを探す
下位に低迷する広島は、浮上のきっかけにしたかった13連戦(1試合中止)を3勝7敗2分けと負け越し、借金は今季最多の10となった。投手陣が安定しないことに加え、野手陣も打てず12試合で3度の完封負けを喫した。13日の阪神戦では17号先制3ランを放ったが、4番・鈴木誠也外野手の不振が目立った。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏に鈴木誠について聞いた。
開幕当初の鈴木誠の打撃に北別府氏は「今年はどこまで成長するのだろうかと思うバッティングをしていた。甘い球をほとんど仕留め、センター方向に放り込む意識が見られた」と見ていた。
ところが、8月に入って打撃は下降気味。8月中旬から12日まで25試合、110打席でタイムリーがなかった。「バッティングの状態が良くないのは確か。誘い球の外のボール球を空振りしたり、ストライクを見逃すことが増えた」と話し、「本人もしっくりこないと分かっていると思うが、見るからに淡泊な打撃に見える。打っていたときは追い込まれてからしっかりピッチャー方向に前足を踏み込んでいるが、打てないときは打ちたい気持ちが強く、体が開いてバットの先に当たったりしている。ピッチャーは全日本の4番が詰まってでも右方向につなげてくると怖いが、引っ張りにくれば、ある程度の投球術があれば打ち取れる」と分析した。
首位を走る巨人は岡本が打率・272ながら勝負強い打撃を見せている。「ピッチャーからみると恐怖感がある。2点が4点くらいに思えることもある。打たれたらダメだと思うほど打たれるもので、4番に打たれたらチームにも勢いをつけさせてしまう」と投手目線から4番打者への恐怖を語った。
「ここで一本出たらと期待するところで打てずに接戦で勝つことが出来ない」というのが現状の広島打線。そんな中で13日の阪神戦で鈴木誠が2安打した。「負けはしたけど、初回にホームランが出たし、最終打席では詰まってレフト前にヒットを打った。ピッチャー方向に前足を踏み込んで粘りを見せた。明るい材料にしてほしい」。本塁打を含む2安打は主砲の復調のきっかけとなる可能性もある。