中村祐が広島の光!試合つくった6回6安打2失点 次こそ今季初勝利だ

 「広島1-3DeNA」(27日、マツダスタジアム)

 広島は打線が沈黙し、DeNAに連敗を喫した。借金は今季ワーストの13に膨れ、2006年~07年以来、2年連続で同カード負け越しが決まった。敗戦の中の光は先発・中村祐太投手(25)だ。無援で今季2敗目を喫したが、6回を6安打2失点の粘投で試合をつくった。黒星の重みに耐えながら、次戦こそ2年ぶりの白星を手にする。

 無援を嘆く代わりに自身の至らなさを見つめた。味方の反撃を信じ、最後まで崩さなかったファイティングポーズ。先発した中村祐は6回を6安打2失点。初回に2点を失ったものの、粘り腰で試合をつくった。

 初回、先頭の梶谷を2球で追い込んだが、フルカウントから甘く入った7球目のフォークを右中間スタンドへ運ばれた。前回20日のヤクルト戦(神宮)でも初回先頭打者に被弾していた中村祐。2試合連続で初回先頭打者に被弾したのは球団では79年・北別府以来、41年ぶりの不名誉となった。

 初回は「追い込んでからの勝負球が甘く入った。同じことをしてしまったのは良くなかった」。反省を胸に真っさらなマウンドに上がったが、出はなをくじかれた。その後、2死三塁から佐野の二ゴロの間に2点目を献上した。

 ただ、そこから大崩れしなかったことが収穫だ。「二回以降は感覚が良くなって、低めに集めることができた」。四回は連打で無死一、二塁とされたが、ロペスをカットボールで中飛、倉本はカーブで二飛に打ち取った。2死から戸柱には低めのチェンジアップで中飛。変化球主体の投球で追加点を許さなかった。

 相手が直球とスライダーを念頭に攻略してくると推測し、カットボールを活用。六回は三者凡退に封じた。「四球を出したらズルズルいく。何とかゾーンで高さを間違えないように」という心掛けが、無四球につながった。劣勢の試合展開を踏まえ、攻撃陣にリズムをもたらすための最善を尽くした。

 佐々岡監督は「前回もそうだった。もったいないよね」と初回の失点を指摘しつつも「6回2点で試合をつくったからね」と次回も登板機会を与える姿勢を示した。

 及第点の内容だからこそ、立ち上がりが悔やまれる97球。ただ、どん底でさまよっているわけではない。出口は見えている。「何とか初回を乗り切りたい」と中村祐。2年ぶり白星を手にできる日は“魔の初回”を克服した先に、必ず訪れる。

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