さすが誠也…1日でカープ最下位脱出打ァ 堂林も猛打賞!先発野手全員安打
「ヤクルト5-7広島」(2日、神宮球場)
広島が先発野手全員安打となる14安打の猛攻で打ち勝ち、最下位から脱出した。鈴木誠也外野手(26)が初回、先制の左前適時打を放つなどマルチ安打をマーク。堂林翔太内野手(29)も2打席連続適時打を含む今季6度目の猛打賞で、打線をけん引した。
あっという間の先制劇だった。力強く振り抜いた打球は高いバウンドで三遊間を抜けていく。開始早々、鯉打線の畳み掛ける攻撃に三塁側を真っ赤に染めた鯉党は歓喜した。
初回、無死一、三塁のチャンスで打席が回った。カウント1-1からの3球目。鈴木誠が高梨の129キロフォークをたたきつけて左前に運んだ。チーム4試合ぶりとなる適時打に「ランナーをかえすことができて良かったです」。六回にも右中間二塁打でマルチ安打を記録。9月28日・DeNA戦から3番に座る主砲が、仕事を果たした。
堂林も続いた。2-2で迎えた三回2死二塁。この回から代わったクックの外角139キロカットボールをはじき返し、中前に運んだ。初回にも2死満塁から三塁線へ内野安打。2打席連続適時打に「積極的に打つことができました」と表情を緩めた。佐々岡監督も「内野安打は(相手の)ダメージになる」とたたえた。
九回にも中前打を放ち、今季6度目の猛打賞を記録。「集中できていた」。二盗も決め、チームトップの13盗塁目をマークするなど足技も絡めた。
不調にあえいでいた。「数字を残せていなかった」と堂林。開幕からロケットスタートを決め、7月の月間打率・340とシーズン序盤は絶好調だったが、8月は・256。9月は・200と徐々に低迷してきた。しかし、「結果は出ていなかったが、内容のいい打席はあった。大きく変えずにやれることをやっている」と粘り強く一試合一試合に取り組んできた。自身の打撃を改めて見つめ直し、結果につなげた。
前日に巨人に敗れ、9月7日以来24日ぶりの最下位に転落したが、この日はその鬱憤(うっぷん)を晴らすかのごとく打線が奮起。二度追いつかれてもすぐさま引き離し、9月25日以来の2桁安打となる14安打の猛攻でわずか1日で最下位から脱出した。
「まずは継続して試合に出続けること」と規定打席到達へ意気込んだ鯉のプリンス。残り試合も全力で戦い抜く。