広島・菊池涼 天下一品の守備範囲 北別府氏が投手陣に好守を生かす制球力望む
広島の菊池涼介内野手が15日・巨人戦で二塁手としてのシーズン連続守備機会無失策を434に伸ばし、1993年の和田豊(阪神)のセ・リーグ記録432を27年ぶりに塗り替えた。19日現在で450連続守備機会無失策を続けている。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏に菊池涼の守備力について聞いた。
菊池涼は入団2年目の2013年に広い守備範囲で二塁手のレギュラー定着し、いきなり二塁手として日本記録の528補殺、14年には535補殺と自らの記録を更新した。今年は連続守備機会無失策の記録を更新している。北別府氏は「普通ならヒットになるような当たりをこれほど捕ってくれるのだから本当に凄い。投手はかなり助けてもらっている。感謝しているんじゃないかな」と守備範囲の広さを評価した。
続けて「私が現役時代に二塁を守っていた正田耕三も守備範囲は広かったけど、投手にとってライトに抜けるのとセカンドゴロになるのでは大違い。打球方向を見てヒットと思ったときに『えっ』というところにいる。ピッチャーにとってこれほど心強いことはない」と投手目線で話した。
好守には動きだけでなく位置取りも大事だ。「読みがいいんだろう。カウントによって守る位置を自身で決めて変えている。菊池涼くらいになるとベンチから指示は出ていませんからね」と内野手としての天賦の才があると話した。
加えて「キャッチャーが右打者の外を攻めているときにある程度のコースに投げれば意外と守っているところに飛んでいく。今年のカープの投手みたいにキャッチャーが外に構えているのにインサイドに行くとセンターに抜けていくことになる。今シーズンは3連覇当時にできていたコースの投げ分けできず四球が多いため守る側もリズムがとりにくい。従ってダブルプレーも少ないという展開になってしまう」と、投手の制球力も好守をもたらす要因に挙げた。
今の広島投手陣に「野手にも準備があるし、1球1球体重をかけて集中している。投手のサインによって守る位置を変えているんだからその通りのコースに投げると反応しやすい」と制球力の向上を望んだ。また「若い野手は菊池の動きを見習ってほしい」と“生きた教材”にすることを願った。