即戦力右腕の栗林を単独指名の広島は「ロスのないいいドラフト」北別府氏が分析
2020年のドラフト会議が行われ、広島はドラフト1位で社会人ナンバーワン右腕、トヨタ自動車・栗林良吏投手(24)の単独指名に成功した。育成を含め7人を指名。5投手のうち4人が大学、社会人、独立リーグの即戦力投手となった。ドラフトの結果についてデイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏に聞いた。
4球団が競合した早大・早川隆久投手の入札を回避し、栗林を単独で1位指名した。北別府氏は「競合してくじを外した場合、その分いい選手を先に取られる。前年の森下に続き単独指名できたことでロスのない良いドラフトになった」と評価した。
25日現在でチーム防御率はリーグ5位の4・30。チーム打率・261でリーグ2位の攻撃陣に比べ補強ポイントははっきりしていた。投手中心の補強に「野手は若い選手が伸びてきている。大砲も鈴木誠がいるし、外国人でまかなえる」といい、「リードしていても試合終盤でひっくり返される試合が多かった。左右ともに中継ぎ陣がしっかりしていなかった」とリリーフ陣の整備が急務と指摘する。
直球のMAX153キロを誇る栗林は先発、リリーフどちらもこなすことができる。「速球を投げ闘志を前面に出すタイプの投手。カープには、どちらかというと大人しいタイプの投手が多い中、戦力アップと共に刺激を与えてくれるような期待のできる補強となった」という。
加えて「野村や大瀬良が手術をしている。来季活躍できるかはフタを開けてみないと分からない。2人がローテーションで回れれば栗林を中継ぎに回すこともできる」と来季の構想も披露した。
2位に左腕の森浦大輔投手(天理大)、3位に右腕の大道温貴投手(八戸学院大)を指名した。昨年は床田が出てきたが、今年は1年間ローテーションを守ることができなかった。遠藤、中村祐の若手右腕はローテーションで投げ続けるが「疲労もあるのだろうが、最近の投手は続けて活躍できるという保証がない」と不安を口にした。それだけに上位で左右の即戦力投手獲得が必要だった。また「1軍半の投手はまさにウカウカできない、良い刺激になる」と新戦力の加入で相乗効果を期待した。