広島・遠藤G倒完投 来季はGキラーじゃ!Bクラス確定も希望の光5勝目
「広島5-1巨人」(4日、マツダスタジアム)
広島の遠藤淳志投手(21)が、今季5勝目をプロ2度目の完投勝利で飾った。9回4安打1失点、125球の熱投。完投勝利はいずれも巨人からマークするなど“キラー”ぶりも示した。チームは2分けを挟んでの6連勝を決めたが、阪神と中日が勝ったことで2年連続のBクラスが確定した。
こん身のガッツポーズが自然と飛び出した。遠藤は誰にも譲ることなく、最後まで一人でマウンドに立ち続けた。
分岐点は1-0の六回、2死三塁で岡本を迎えた場面だ。「先制してもらった後だったので、何が何でもゼロで抑えてやるぞ、という思いで投げました」。最後は外角スライダーで空振り三振。右手の拳を強く握ると、球場は熱気に包まれた。
9回4安打1失点。惜しくもプロ初完封は逃したが、7奪三振でプロ2度目の完投はいずれも巨人戦だ。「きょうが(今季)最後のマウンドだと思うので絶対に負けたくない、いい形で終わらせたい」と気合を入れて腕を振った。
序盤三回まで「球が上ずっていた」ものの「ストライクゾーンで勝負するようにした」と修正。「今までの僕だったら修正し切れなかったと思いますが、踏ん張りどころだと思って」と粘り強くアウトを重ねていった。
四球から崩れた今季中盤。先月の巨人戦では味方が同点に追いついた直後に勝ち越しを許し「打たれることを怖がる自分がいる」と肩を落としたこともあった。昨年は中継ぎとして経験値を増やし、今季は九里と2人、唯一開幕から先発ローテで回る。着実に階段を上がる21歳には忘れられない言葉がある。
昨年8月21日のヤクルト戦(マツダ)でプロ初勝利。同24日に初セーブを挙げるなど、軌道に乗り始めた。ただ、その後に調子が下がった。悔しい結果に終わった登板後の夜、携帯電話にラインが入っていた。
送り主は大瀬良。「『ダメな日もある。それで引きずることより、切り替えて次またダメだったことを生かして一緒に練習から頑張ろう』と言われた。大きかった」。エースからのメッセージに身が引き締まった。周囲に支えられて今がある。
佐々岡監督は「(スピード)ガン以上のキレが見て取れる。成長できているし、まだ成長できる」とさらなる飛躍に期待した。1年間、先発ローテで投げ抜いた。「この経験を無駄にしたくない」と遠藤。マウンドの背番号66が、春先よりも大きく映った。