広島Bクラス確定の夜 松山サヨナラ打 「諦めていない」退団小窪へのエール
「広島5-4巨人」(5日、マツダスタジアム)
2年連続のBクラスが決まっても、最後まで全力で戦い続ける。広島・松山竜平外野手(35)が同点の延長十回にサヨナラの中前適時打。長野久義外野手(35)は2試合連続弾で2年ぶりの2桁10号に到達。2分けを挟んだ今季初の7連勝。残り3試合。勝率5割フィニッシュに向けて勝ち続ける。
チームメートの手で、何度もヘルメットを叩かれた。心地良い痛みが、サヨナラ勝利の味だ。大一番で松山が中前適時打を決める。最後まで諦めない姿勢を貫き、今季初の7連勝に導く値千金の決勝打を叩き出した。
「凡退したら次はないと思っていた。最初に犠牲フライを打って、最後にサヨナラを打てた。最高です」
会沢が申告敬遠された同点の延長十回2死満塁。田口が投じた低めの直球を振り抜いた。ボール気味の1球。執念で食らいついた。
球場に不思議な空気が流れていた。1死一、二塁で西川が右前打。二走・曽根が本塁へ滑り込んだ。球審はセーフの判定。誰もがサヨナラ勝利と思った。
「正直、セーフになってくれと思っていた」。直後に原監督がリクエストを要求。リプレー検証の結果、判定がアウトに覆った。それでも「腹をくくって」打席に立ち、最高の結果を出した。
試合前、同学年で同期入団した小窪の退団が発表された。タイプは違うものの、刺激を受けて来た存在だ。「さみしい気持ちは当然ある」。それでも現役続行を選択した背番号「4」に「てっちゃんが選手として諦めていないということ。どこでも応援し続ける」とエールを送った。
今季2度目のサヨナラ勝利。三回には「風に乗ってくれました」と長野が2年ぶりに2桁本塁打に到達する10号ソロ。2-4の八回には、会沢の2点左前適時打で試合を振り出しに戻していた。
佐々岡監督は「諦めないで追い付く姿勢を見せてくれた。Bクラスになったけど、一つ一つこういう試合をしていくことが来季につながる」と目尻を下げた。
今季初の7連勝で、借金はついに「3」まで減った。残り3試合に全て勝利すれば、勝率5割でシーズンを終えられる。松山はチームの思いを代弁する。「このチームはベテラン、若手に関係なく、盛り上がれるのがチームカラー。来季につなげるためにも、良い雰囲気を大事にして戦いたい」。一体感を胸に、グラウンドで全力を尽くす。