広島ドラ1・栗林 毎回13K「引退するまで(制球)磨く」悔しアマ終戦

 1回、本間を149キロの直球で三振に斬り雄叫びをあげるトヨタ自動車・栗林(撮影・開出牧)
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 「都市対抗野球・1回戦、トヨタ自動車0-2セガサミー」(22日、東京ドーム)

 広島からドラフト1位指名された栗林良吏投手(24)=トヨタ自動車=が22日、東京ドームで開幕した都市対抗野球1回戦・セガサミー戦に先発した。7回を5安打2失点。6者連続を含む毎回の13奪三振と圧巻の投球を披露した。準優勝だった昨年の雪辱を期したが、打線の援護なく初戦敗退。悔しさを胸に、プロの世界で頂点を目指す。

 味方の反撃を信じ、最後までベンチの最前列で声をからした。トヨタ自動車の一員として上がった最後のマウンドは、好投を続けながら一発に泣いた。仲間と過ごした2年間が脳裏を駆け巡り、悔しさがこみ上げてくる。試合後、栗林は「自分のせいで今年も負けてしまった。悔いしかないです」と唇をかみながら初戦敗退の責任を背負った。

 粘り強く、気迫を込めて腕を振り続けた。初回、先頭打者を外角149キロ直球で見逃し三振。1死から連打で一、三塁のピンチを背負ったが、連続三振で切り抜けた。この日の最速は150キロ。気迫を前面に押し出し、三振を奪って相手の攻撃を封じるたびにグラブを叩きながら小走りでベンチに戻った。

 唯一の失点は二回。1死一塁から8番・北阪に右越えに先制2ランを浴びた。スタンド上段まで運ばれ、結果的にこれが決勝点となった。外角を狙ったが「力が入ってインコース高めの逆球になった。失投。自分の力不足というか、そういうのがあります」と自責の念が胸を支配した。

 7回を5安打2失点と、決して責められる内容ではない。中盤以降は鋭く落ちるフォークの精度が際立ち、相手打者のバットが次々と空を切った。「長いイニングを投げるためにやっていた」と直球でカウントを稼ぎ、決め球にフォークを落とす組み立てで五回1死二塁から七回1死まで圧巻の6者連続三振。毎回の13奪三振で「ドラ1」の看板にふさわしい好投を見せつけた。

 10月26日のドラフト会議後も「チームが勝てるように、チームのためだけを思ってやってきた」と振り返る。昨年は準優勝と、あと一歩のところで頂点を逃した。雪辱を期した今回だったが、最後に笑うことはできなかった。

 プロ入りまでの課題にはコントロールを挙げ「(現役を)引退するまで磨いていかないといけない。ここ一番でコーナーに投げられるようになりたい」と力強く理想像を描いた。夢の続きはプロ野球という日本最高峰の舞台。トヨタ自動車と同じ赤いユニホームを着て、カープの投手として頂点に立つ。

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