広島伝統の機動力野球復活を 全力疾走で優勝時の強さに 北別府氏が河田コーチに期待
5位に終わった広島は、今季限りでヤクルトを退団した河田雄祐氏がヘッドコーチに就任し、機動力野球復活を目指す。日本シリーズでは巨人がソフトバンクのパワー野球に屈したが、北別府学氏(デイリースポーツウェブ評論家)は広島伝統の足を使った攻撃こそがチーム強化の手段と力説した。
2016、17年の優勝時に外野守備走塁コーチとしてチームを支えた河田新ヘッドコーチの現役時代を知る北別府氏は「彼の現役時代は代打や代走で出て全力疾走が当たり前だった。それを優勝時に徹底させていた。シーズン中にも指摘したが今季、凡打の際に一塁ベース手前で力を抜いているのではないかなというシーンを見かけた。彼が戻ってきたことで、凡打であろうとも全力疾走する事を徹底させて、次の塁を狙う意識を植え付けさせてほしい」と願った。
コロナ禍の中で調整の難しかったことは認めるが、5位に低迷した古巣に「今年、何が足りなかったかといえば、どのような場面であろうとも全力でプレーする事ではないか。それを河田コーチの元、徹底させることでミスも減り集中力も高まっていくだろう」という。また「カープは走れる選手が沢山いるのにその足を使いかき乱そうとするシーンがあまりにも少なかったように思う。それでは投手が楽になる。走る走ると見せかけて走らないとか、走る気配がないのに走るとか走者に掻き回されると投手は嫌なもの」と投手目線でも走力の重要性を説いた。
日本シリーズでは、パ・リーグ覇者であるソフトバンクのパワー野球にセ・リーグ覇者の巨人が4連敗で屈した。それでも「相手の隙をついていく野球もあるし、チームを作る上で手っ取り早い。逆方向への打撃、足を絡めた強打、何をしてくるか分からない攻撃。今年の反省点として守りでもエラーが多かった事も挙げたい。秋季練習でも鍛えたと思うが、選手にはっきり目的意識を植え付ければ今年と違った結果になる」と現有戦力でも戦うことができると見ている。
最後に「河田コーチは指導者として実績もある。特に守備、走塁に関して選手に優勝した当時のような細やかな細工もできるミスの少ない意識を徹底して植え付けてもらいたい」と、広島伝統の機動力野球復活を期待していた。