広島・岡田 復肩へ「自分軸作る」 今季屈辱の1軍登板ゼロからはい上がる
広島の岡田明丈投手(27)が6日、来季の“復肩”を誓った。昨年わずか3試合、今季はプロ5年目で初めて1軍登板がなく、悔しさに満ちたシーズンを過ごした。投球フォームを模索しながら迷いが生じた一年を踏まえ、方向性を定めて自身の軸を持って戦うことを決意。2021年シーズンの巻き返しに向けて、歩みを進めていく。
視線はしっかりと来季に向けられていた。何もできないまま時が流れ、悔しさだけが残った一年。それでも悲壮感はなく、岡田は落ち着いた口調で闘志を燃やした。「芯を持っていけるかというところだけだと思うので、それさえできれば」。言葉からは、強い決意がにじんでいた。
中継ぎに配置転換された今季は、プロ入り初めて1軍登板なしに終わった。ウエスタン・リーグでも14試合で0勝4敗、防御率5・22と不本意なシーズンを過ごした。投球フォームの模索が続き「あっちに行ったり、こっちに行ったりという感じになったのが、原因と言えば原因」と不完全燃焼の今季を振り返った。
手探りの状態が続き、地に足が着かずに進むべき道が決まらなかった。だからこそ「自分軸がないと、立てない。しっかり自分の考えを持っていきたい」と自身の中で確固たるモノをつかみ、現状を打開していくと意気込む。立ち戻れる場所があれば、迷いが生じた際の支えにもなっていく。
方向性を定め、自分の軸をつくることができれば自然と光が差し込んでくる。「自信を取り戻すために自分がやりたいことを全力でやれば、結果はついてくると思うので。それが一番いい」。昨季の登板もわずか3試合。ここ2年間から、はい上がるための道筋ははっきりと右腕の頭の中に描かれている。
現在は廿日市市の大野練習場で尻の強化に取り組んでいる。投球時に左足が着地する際、尻で受け止める動作ができれば「コントロールも安定して、球速も出ると思う」と意図を説明する。5日の練習ではチューブを腰に巻き、前から引っ張ってもらいながらダッシュ。制球面の向上へ汗を流している。
再起を懸ける来季。「不安なく腕が振れるようになれば、どこでも投げられると思う」と自信をのぞかせた背番号17。力強い軸の確立を胸に、勝負の一年に挑んでいく。