広島の育成・木下元秀外野手（１９）が来年１月に敦賀気比の先輩、オリックス・吉田正尚外野手（２７）と沖縄で合同自主トレをすることが８日、分かった。同校の恩師・東哲平監督（４０）を通じて実現した。自身も吉田正のようなフルスイングからの長打が持ち味。今季、打率・３５０でパ・リーグ首位打者に輝いた好打者から打撃を学び、来季の支配下登録につなげる。

　吉田正との合同自主トレを語る木下の声は弾んでいた。憧れと共に理想とする先輩への弟子入り。「楽しみしかない。育成の僕を連れて行ってくれて、ありがたいです。吸収できるものは全て吸収したい」と力を込めた。

　同じ敦賀気比の出身。木下が恩師・東監督に橋渡し役を頼み、吉田正から了承を得た。「監督からは話したことがないのに大丈夫なのか？って言われたんですが…」。面識はない。それでも成長するためにと思い切って行動に移し、実現させた。

　今季はウエスタンで６０試合に出場。９試合で５発を放つ活躍を見せ、一時は４番を任された。ただ、終わってみれば打率・１８０。三振は２０１打席で４１個を喫した。１１月の「みやざきフェニックス・リーグ」でも打撃は低空飛行だった。

　育成だけに目の前の一年が勝負。吉田正との合同自主トレを、進化の足がかりにしたい。「（吉田正は）フルスイングしても打率を残せるし、ホームランが打てる。自分もそれが理想なんです」。確実性と長打力の両立を目指す。今季の首位打者から体やバットの使い方、打撃理論やメンタル面など全てを学び持ち帰る構えだ。

　高校３年から本格的に野手を始めた木下。粗削りながら、その長打力には大きな可能性を秘めている。「自分の基礎をつくりたい」。偉大な先輩の背中を追いかける熱い日々が始まる。