広島の大瀬良大地投手（２９）が９日、広島市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、２５００万減の年俸１億５０００万円でサインした。今季は２度のコンディション不良などで５勝４敗、防御率４・４１に終わった。９月に受けた右肘手術のリハビリは順調で、３年連続の開幕投手を目指す。（金額は推定）

　悔しさを原動力に変える。大瀬良は４年ぶりの減額で来季の契約を更改した。「（球団からは）来年はしっかり１年間１軍で投げて、エースなんだから頼むぞと。そういう言葉をもらいました。ありがたい」。真っすぐ前を見つめて言葉を紡いだ。

　２年連続で開幕投手を務めた今季。右肘痛の影響もあって２度、出場選手登録を抹消された。９月には手術を受けた。登板１１試合は自己最少。５勝４敗、防御率４・４１で終えた。

　「離脱してしまい、悔しさ、申し訳ないという気持ちがすごく強い。チームも思うような成績を残せなかった。責任を感じます」

　シーズン中の手術は来季以降を見据えたものだった。リハビリは順調そのもの。１０月にはキャッチボールを再開した。現在は「ブルペンに入れるかなという段階」。日に日に良くなる状態に目尻を下げる。

　だからこそ、３年連続開幕投手を目標に掲げた。チームで一人だけの大役には、既に今季初めて規定投球回に到達した九里と、新人王の最有力候補である森下が立候補している。

　「やりたいといってやれる場所ではない」。そう前置きした上で「連続で任せていただいたというのもある。その日（開幕）に間に合うようにという思いを持ちながら過ごしている」ときっぱり。三つどもえの争い。譲るつもりはない。

　覇権奪還への道を切り開いていくのが使命だ。「自覚を持ってやっていきたい」。来季３０歳になる右腕が力を込めた。