広島・菊池8年連続GG賞 守備率10割の名手、次は浩二の10年連続目指す
プロ野球の守備のベストナインを選ぶ「三井ゴールデングラブ賞」が18日に発表され、広島からは菊池涼介内野手(30)、鈴木誠也外野手(26)が受賞した。菊池涼は8年連続8度目の受賞となった。今季、二塁手としては両リーグ史上初となるシーズン無失策、守備率10割を達成した守備の名手が来季もノーエラーを目標に掲げ、前人未踏の大記録を更新していく。
菊池涼が最多得票となる283票を集め、ゴールデングラブ賞を獲得した。当たり前のように手にする栄誉だが「うれしいです。出ている以上は獲りたいと思っている賞。受賞の知らせを聞いてホッとしたというか、今年も獲れて良かったなと思います」と表情を緩めた。
二塁手として8度目の受賞はセ・リーグでは最多となり、辻発彦(西武)と並んだ。また、二塁手の8年連続受賞は同じく辻が持つ7年連続の記録を更新する快挙となった。
今季は106試合に出場。10月15日の巨人戦で93年和田豊(阪神)が記録したセ・リーグ守備機会連続無失策記録(432)を27年ぶりに更新。二塁手としてはプロ野球史上初となるシーズン無失策、守備率10割を達成する偉業を成し遂げた。
しかし「本当に苦しかったというふうに思います。くじけそうなときもあって、飛んで来てほしくないなと思う試合が何試合かあった」と率直な心境を吐露。ノーエラーを続けていく重圧もあった。
それでも「打撃でなかなかうまくいかない分、守備では絶対に貢献してやると毎試合気持ちを切り替えて、強い気持ちを持ってグラウンドに立った」と言う。また「切り替えの大事さを今年は痛感した」と野村謙二郎氏が監督を務めていた時に教わったメンタル面を、記録達成の要因に挙げた。
球団では山本浩二氏が外野手部門で10年連続10度の受賞を果たし、セ・リーグ記録を保持する。「厳しいね」と苦笑しながらも「やってる以上は獲りたい。そんなに甘い賞ではないが、自分を出し続け、あいつしかいなかったなと言ってもらえるようなプレーヤーになっていたいので、常に全力で頑張ります」と意気込んだ。
17日のNPBアワードでリーグ特別賞を受賞した際には「来シーズンも失策ゼロを目標に頑張りたい」と話し、この日の授賞式後には「うまくなりたいし、ならないと駄目」と語った守備の名手が、2021年も自身の記録を伸ばしていく。