広島・堂林 倍増超え!2000万増3600万円で更改 さらなる飛躍へ慢心なし
広島の堂林翔太内野手(29)が22日、広島市内の球団事務所でチームの大トリとして契約更改交渉に臨み、今季年俸1600万円から2000万増の3600万円でサイン。2014、15年の2000万円を上回る大幅アップで自己最高額に到達した。今季飛躍を遂げた背番号7は来季、キャリアハイの成績を目標に定め、レギュラーとしてチームの日本一に貢献することに意欲を示した。(金額は推定)
歯を食いしばりながら戦い続けた日々は、自身の心に潤いを与える言葉に形を変えた。堂林は晴れやかな表情で「(球団から)『今年一年、しっかり働いてくれた』ということを言われて、カープに入って11年、一番いい言葉を頂きました」と端正なマスクをほころばせた。大幅アップで堂々の自己最高額だ。
今季は6年ぶりに開幕スタメンを果たし、シーズン序盤は打率4割台の好発進。111試合に出場し打率・279、58打点、17盗塁はいずれもキャリアハイで、自己最多に並ぶ14本塁打。「ほんの少しですけど、恩返しはできたのかなと思いますし、また来年以降も引き締めて頑張らないといけないな、という気持ちになりました」と決意を新たにした。
輝きを放った今季の支えは苦渋を味わった過去。「やっぱり苦しかった日を思い出すと、そこには戻りたくないというのもあった。それを思うと踏ん張って必死になって、粘ってこられたのかなとは思いますね」。
分岐点には、開幕2戦目の6月20日・DeNA戦(横浜)を挙げた。
同19日の開幕戦は4打数無安打。わずか1日後、5打数4安打の固め打ちで息を吹き返した。「次の日は、正直(スタメンは)ないのかなと思ったところで使ってもらって、そこで4本打てたというのが一番大きなターニングポイントだったかな」。
数字に満足はなく「後半、成績が落ちた時期があった。そこをもうちょっと粘って頑張れたら」と分析。9月は月間打率・200。あとひと踏ん張りが、来季のさらなる進化を後押しする。年明けは沖縄県内で昨年に続いて鈴木誠らと自主トレを行い、新人王の森下も参加。堂林は、自主トレ期間中に護摩行も実施し、新たな戦いへ準備を整える。
来季見据えるのはキャリアハイに加え、レギュラーとして頂点の座に輝く瞬間だ。「3連覇中は、なかなか(中心)メンバーとしてやれていなかったので“強いカープ”の一員になれるように。来年、日本一を取れるように戦っていきたい」。たくましさを増した背番号7が、歓喜のゴールへとまい進していく。