カープ塹江 Wチェンジアップで苦手克服 右打者斬り新兵器で今年もV方程式
広島の塹江敦哉投手(23)が15日、マツダスタジアムで自主トレを行い、2年連続の50試合登板と防御率2点台を今季の目標に掲げ、チェンジアップの完全習得を誓った。昨季は52試合に登板し、勝利の方程式入りを果たした左腕。変化球の幅を広げ、右打者克服を目指していく。
真剣な表情で、塹江が一球一球に気持ちを込めながら力強く腕を振った。この日はマツダスタジアムに隣接する室内練習場で30メートルダッシュやネットスロー、シャドーピッチングなどで汗を流し、2年連続となる50試合に登板し、防御率2点台を目指すことを今季目標に掲げた。
「50試合ぐらいをいい内容で投げることを目標にしている。結果的に60、70になればいい。防御率はそこ(2点台)を目指してやっていきたい」と抱負を語った。
昨季は飛躍の一年だった。自身初の開幕1軍入りを果たし、フランスアの53試合に次ぐ52試合に登板した。シーズン中盤から勝ちパターン入りを果たし、プロ初勝利も記録。3勝4敗19ホールド、防御率4・17の成績を残した。
しかし、課題も残った。左打者の被打率が・211に対して、右打者は・309だった。150キロ超の直球とスライダーを武器とする左腕だが、右打者への対応には苦戦した。
右打者への苦手意識を克服し、さらに投球の幅を広げるためにも、現在はチェンジアップの習得に取り組んでいる。昨年は落ちる球としてフォークを投げていたが、「球速差がある方が強い。フォークは落差があるわけでもなく、肘とかの負担を考えたら、チェンジアップの方がいい。抜く系がなく、逃げる球がないので」と理由を説明した。
昨季中もキャッチボールで試すなど以前から練習は行っており、森下にも投げ方を聞いたという。縫い目が直球と同じような見え方になるものと、落ち幅が大きい2種類のチェンジアップを試投している。「どちらかが一級品になればいい。両方投げてみて、打者の反応がいい方を伸ばしていきたい。捕手に聞いていきたい」と感触を確かめながら、しっくりくる方を選択する予定だ。
「投げていて手応えはある。紅白戦やオープン戦で投げて、使えるようにしたい」と完全習得を口にした背番号36。新たな武器を携え、今季も勝利の方程式の一角を担う。