広島・クロン「柔らかさエルドレッドよりある」フリー打撃で長打力披露
広島の新外国人、ケビン・クロン内野手(27)=前ダイヤモンドバックス=が19日、マツダスタジアムに隣接する屋内練習場で来日初練習を行い、長距離砲の片りんを見せた。約3週間ぶりの打撃練習では鋭い打球を放ち、視察した迎打撃コーチは大砲としての才能を感じ取った。キャンプインは目前。グラウンドに立つ姿が待ち遠しい。
誰よりも力強い打球音だった。クロンが18日の入団会見から一夜明け、さっそくバットを握った。打撃練習は約3週間ぶり。それでも感覚に大きなズレはない。「非常に良い形でバットを振れたよ」。マイナー通算151本塁打のパワーヒッターは、存在感を示して白い歯を見せた。
フリー打撃では計40スイング。大半が中堅から右翼方向への打球ながら、角度がついた本塁打性の当たりだった。3日に来日後、2週間の隔離期間は自宅待機。チューブを使った簡単な運動しかできなかったが、ブランクを感じさせなかった。
見守った迎打撃コーチは目を細めた。「明らかに長打を打てるタイプ。加えて柔らかさはカントリーよりもある」。その姿は14年に本塁打王に輝いたエルドレッドと重なると共に、さらなる活躍を予感させるものだった。
この日はチームメートと初対面。助っ人はすぐさまチームに溶け込んだ。会沢、野間らの組に入った守備練習では、ノック前のじゃんけんに参加。一人負けして、頭を抱える場面があった。気さくで親しみやすい。そんな性格もエルドレッドと類似する。
「良いスタートを切れた。今後はキャンプ初日に合わせていきたい。100%で入っていけるようにね」。待望の長距離砲は力強く言い切った。