広島・ドラ1栗林、完走!ブルペンで捕手座らせ11球 「描いた以上」充実の自主トレ
広島のドラフト1位・栗林良吏投手(24)=トヨタ自動車=が30日、マツダスタジアムに隣接する屋内練習場で合同自主トレを打ち上げ、キャンプインへの準備を整えた。今月上旬からマイペース調整を続けてきた即戦力右腕は、今年初めて捕手を座らせたブルペン投球を行い、最終調整。「本番」と位置付けた沖縄での1カ月で、さらに状態を上げていく。
懸命に駆け抜けた先に見えた景色は、当初の想像を大きく上回っていた。合同自主トレ最終日。栗林は、“助走期間”を無事に終えて「充実した、自分の身になる1カ月になりました」と、ホッとした表情を浮かべた。
この日は、マツダスタジアムでブルペン入り。今月ここまで2度の投球練習はともに立ち投げだったが、初めて捕手を座らせた。7割の力で全て直球。11球を投げ「ある程度コントロールも付けて投げられた。バランスも良かったかな」とキャンプへ向けた最終仕上げに納得顔だ。「あとは球のキレ、球威をキャンプで練習していけたら」と沖縄で細部を詰めていく。
そのキャンプでは、心のスイッチを切り替えて勝負する構え。「やっぱり、ここからが本番だと思う。ここからは、チームとしての練習。チームに貢献できるように」とムチを入れ直す。新人という立場でも自分を見失わず「徐々に徐々に上げていって」と、なだらかに上昇カーブを描く青写真。心を熱く、頭を冷静にしてシーズンにピークを合わせる。
この1カ月間も自身の足元を見つめつつ、捕手を座らせたブルペン投球を行う段階まで達することができた。調整具合は「描いた以上」と自身も驚くほどで、「本当に、ここまで来られると思っていなかった。状態がすごく上がってきた」と成果を実感した。
プロとしての基礎を築き、変化も感じる。「ストレッチ、体の使い方に意識を持てるようになったのが成長。『ただ、やっているだけ』というより考えて練習できるようになった」。1軍の環境に身を置くキャンプでは「成長できる要素、ヒントをたくさん頂けると思うので、そのヒントを自分のモノにできるように」と貪欲に挑戦していく。
今の心境は「不安が100(%)で楽しみはゼロですね」と苦笑い。それでも、1軍スタートの同期入団4選手全員で競争を勝ち抜く気持ちは強い。「同期なので4人が1軍に残れるように、みんなで会話して助け合っていけたら」。さあ準備は整った。即戦力のドラフト1位という看板を引っ提げ、栗林が南国・沖縄で牙を研ぐ。