広島投手陣のカギを握るのは岡田 「1年間働けば台所事情は一変」と北別府氏断言

 プロ野球のキャンプがスタートしたが、昨年5位の広島の巻き返しはなるのか。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は投手陣のキーマンに岡田明丈投手(27)の名前を挙げ、「彼が1年間働けば台所事情は一変する」と断言した。

 佐々岡監督就任1年目の昨シーズンは52勝56敗12分。首位巨人とは13・5ゲーム差の5位に終わった。3連覇後の2年連続Bクラスで成績は下降線をたどっている。

 どこのチームも優勝を狙い向かってくるのだから、頭ひとつ抜けるくらいのチーム力がなければ優勝を狙うことなど無理な話。その優勝を狙うステージにも行けず、この2年は足踏み状態。戦力はさほど変わっていないが、故障者が何人か出た分、戦力ダウンにはなった。下位低迷の原因はそのへんにあるのでしょう。

 ただ去年の戦い方を見ていると、佐々岡監督の人の良さも出ていたように思う。優しい性格ゆえに選手に対しても、厳しさより優しい面の方が見えていたように思う。1年目だから手探りのところもあっただろうが、ブレずに一つのものを貫き通すような信念を持った面もあるが、選手に対してそんな一途な面を見せていないように思う。今年はもっと表に出してくるような気もするが。

 野手を見渡すと(鈴木)誠也を中心に菊池や田中、会沢、去年きっかけをつかんだ堂林らがいて、他球団と比較しても戦力的に見劣りするところはない。あとは右の大砲として補強した外国人(ケビン・クロン内野手)の出来がどうかというところかな。それよりもやはり投手陣でしょうね。

 大瀬良と野村は故障による手術明け。森下は2年連続の2桁勝利を期待したいところだけど、他チームもデータを研究してくるので昨年のようにはいかないと思うが、スタートでつまずかなければ期待大。即戦力選手の実力は未知数で、去年活躍した塹江らは疲労が心配。チームとしては決して安心できるような状態ではないはず。

 投手出身の佐々岡監督は、投手力を軸にした守りの野球を目指していると思う。安定した成績を残すには、やはり投手力が必要。その投手陣の底上げを図るうえで欠かせないのはだれか。私が注目しているのは岡田だ。

 去年、岡田は1軍登板ゼロ。だから今年は倍返しのつもりでやってもらいたい。彼が中継ぎで1年間しっかり働けば、投手陣全体にものすごく余裕が生まれる。仮に先発陣が不足すれば先発に回ればいい。佐々岡監督にしても、ノドから手が出るほど出てきてほしい投手なはず。変身すればすごい投手になれる能力を持っているだけに、今のままではもったいない。

 岡田は直球に威力はあるが、相手に研究された2年目以降、ボール球を振ってくれなくなり、四球が増えた結果、ストライクが欲しいばかりに腕が縮こまり、球が走らなくなる悪循環に陥ってしまった。そこからどう脱皮するか。変化球でストライクを取るコツを身につけたのかなど、この1年間の過ごし方が問われるし、心がけてきたことをキャンプやオープン戦で形にしなければならない。チームのカギを握っていると言ってもいい投手だけに、その分、注文も厳しくなる。

 カープの投手陣はメンバーがそろっていると思う。岡田に限らず名前がありながら調子を落としている投手が戻ってくれば、2年連続Bクラスからの巻き返しは十分に望める。

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