広島・九里 熱投347球 今春12球団最多!初の開幕投手へ猛アピール
「広島春季キャンプ」(4日、沖縄)
投げ込み王だ!広島の九里亜蓮投手(29)が4日、今キャンプ2度目のブルペンで347球の熱投を披露した。佐々岡監督が現役時代に投げた333球や黒田博樹の343球を超える衝撃の投球だ。今キャンプ12球団でも断トツの球数。疲れを知らないタフネス右腕がフォームを固めて、開幕投手ロードを突き進む。
沖縄のブルペンは九里のものだった。午前10時50分に投球練習を開始。球数が100球、200球と増えても右腕を振り続けた。最後の1球を投げたのは午後1時前。約2時間の熱投劇で、球数は広島のレジェンドたちを超える347球だ。
「投げ込む日をつくろうと思っていた。佐々岡監督、黒田さんも先発完投の投手はキャンプで球数を投げるイメージがあった。疲れても強い球を投げられるようにするには、体に覚えさすしかない」
150球目辺りから永川投手コーチが打席に立った。右打者、左打者の内外角をイメージしカーブ、カットボール、チェンジアップを交えた。実戦を想定する事で1球の意味、重みを感じ取った。
「どうやって下半身で粘って投げるか。ある程度イメージがついたのかな」。疲れた状態で上半身に頼らないフォームを探す事も目的だった。セットポジションで投げた最後の20球。球威などはそれ以前と遜色なかった。
亜大時代は1日400球以上を投げた。プロでは最多になるが、自主トレ期間で万全の準備を整えてきた自負がある。ドラフト1位・栗林の球を受けていた会沢から「何球投げるの?」と問われ、「300球です」と宣言する場面もあった。
熱視線を送り続けた佐々岡監督は、何度も目尻を下げた。指揮官の現役時代、100球以上の投球練習は日常茶飯事。最多で333球を投げ込んだ。02年には当時のエース黒田が343球を投げた事も記憶に残っている。
時は流れ、時代は令和になった。「僕らの時代と今では考え方も違う。昭和の練習かもしれないけど、いろんな事を考えながら取り組む姿勢は評価したいし、無駄じゃない。最後の347球目まで投げ切って素晴らしいブルペンだった」と指揮官。今春12球団最多の球数を大幅更新し、黒田の数字も上回った九里を笑顔でたたえた。
自身初の大役を目指す背番号11は「投球だけでは何も決まらない。これから実戦が入って来る。開幕投手を任せてもらえるようにやっていきたい」と前を見据えた。心に固く誓い、マウンドに上がり続ける。