広島・中村奨&石原よ 殻破れ!もっと貪欲に…石原慶幸氏が若鯉捕手に熱きエール
昨季限りで現役を引退した元広島でデイリースポーツ評論家の石原慶幸氏(41)が5日、後輩捕手の中村奨成と石原貴規にエールを送った。キャンプ初日から精力的に練習を視察し、若鯉2人のプレーにも熱視線を送った。扇の要としてグラウンドに立つために-。「もっと貪欲になって、自らの殻を破れ」と熱い言葉をかけた。
選手はすごく体が動いている。ノックの動きを見ても、そう。昨季が終わってからオフの期間は短かったけど、すごく良い準備と調整をしてキャンプに入って来たんだという印象を持つ。
中村奨と石原に注目している。彼らは周りを気にする余裕はない。とにかくがむしゃらに、一日一日のメニューを一生懸命に消化していかないといけない立場だ。
3日のベースランニング中、坂倉が下半身のコンディション不良を訴えて練習を切り上げた。6日からは日南の3軍でリハビリを開始するとあって、2人の出場機会は増えるはずだ。でもチャンスだとか思わず、とにかく一生懸命やることが大事だ。
以前、野村元監督が「もう一人の自分に勝とう」と言ったことを思い出す。練習中はいろんな誘惑がある。「もうこれでいいか」「今日は8割くらいで止めておこう」など。たくさんの脳裏をよぎる感情に打ち勝てるよう、自分にプレッシャーをかけてほしい。1軍にはいい選手がたくさんいる。貪欲に吸収しようという気持ちが大事だ。
それはブルペンでもそうだ。初日に石原と中村奨を見て思ったことがある。もっと試合と同じ感覚で受ければ、成長曲線は大きなカーブを描くと。
投球練習は投手の練習である一方で、捕手練習でもある。投手の傾向や特徴を把握して理解する絶好の機会だ。若手は伸びしろしかない。一球の意味を考え、たくさんの気づきをしてほしい。
大きな声を出すなど、恥ずかしがらないことも捕手としては重要な要素だ。野球は捕手がサインを出してから試合が始まる。サインプレーも捕手が本塁ベースの前に立って指示を出してから動きが始まる。全員の視線が集まる時間。おどおどしない立ち振る舞いが求められる。
でも、いきなりできるものではなく、日々の練習から身についていくもの。だから一生懸命やるというのはすごく大事だ。そこだけは忘れてほしくない。今はまだ照れが見える時がある。もっとバンバン声を出して「やってます、頑張っています」をアピールしてほしい。
自分も若い頃に経験しているし、アツ(会沢)も通ってきた道だ。自分自身で殻を破っていかないと、誰も破ってはくれない。若さは魅力で、武器でもあるのだから。
最後に坂倉へ。まずしっかりと治すことが大事だ。中途半端な状態では、再発した時にもっと時間がかかる。自分もケガの経験があるから分かる。悔しい気持ちはもちろんある。でも割り切って、しっかり治して帰ってきてほしい。