広島・森下、開幕投手へ好発進!3回0封!二塁打浴びた阪神・ドラ1佐藤輝は警戒
「練習試合、阪神4-3広島」(21日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座)
広島の森下暢仁投手(23)が21日、練習試合・阪神戦(宜野座)で今年初となる対外試合に先発し、3回を無失点に抑えた。阪神の黄金ルーキー、ドラフト1位・佐藤輝(近大)との対決は、初回に二塁打を浴びるなど2打数1安打。シーズンまでに対策を練り、本番でのリベンジを誓った。ただ全体的には問題点なく、順調そのもの。昨季の新人王右腕が開幕へ、まずは一歩前進した。
いつも通りのクールな表情を浮かべながら、最後まで冷静沈着に投げ抜いた。3回で打者13人に対し、無四球の3安打。試合後、森下は37球を投じた今季初の実戦登板を振り返り、「全球種しっかりと腕を振ることを意識しました」とうなずいた。
注目の初対決は初回だ。先頭の近本を二直、続く糸原を二ゴロと簡単に料理し、2死から1学年下のドラ1・佐藤輝と対峙(たいじ)。1ボールから2球連続で空振りを取り追い込む。そしてカウント2-2となり、6球目。外角へ150キロの直球を投じたが、完璧に捉えられた。右中間へはじき返される二塁打。相手に軍配が上がった。
「しっかりと勝負していくという意識でやったが、打たれちゃいました」と素直に敗北を認めた森下。初対戦の印象については「(体が)大きいですし、しっかりと踏み込んでくる。いいバッターだなと思います」と率直な感想を述べた。
二人は18年の大学日本代表でチームメートだった。当時について森下は「おとなしい感じのイメージがある。打撃練習では飛ばしていた印象があった」と回顧。アマチュア時代からその長打力は目立っていたという。
1年目の昨季は阪神戦に4試合登板し、3勝0敗、防御率2・25と虎キラーぶりを発揮した。だが佐藤輝の加入でチームが昨季と一変する可能性がある。「シーズンに入ったらたくさん対戦するような場面が出てくる。工夫しながらやっていきたい」と、新戦力のスラッガーに警戒心を強めた。
この日は佐藤輝との初対戦で安打こそ許したが、安定した投球を披露。三回、2死一塁の場面で佐藤輝との2度目の対戦では初球のカットボールで詰まらせ、ポップフライに。だがその飛球を三塁・羽月が落球し、一転して二、三塁のピンチを招いた。すると森下は一段階ギアを上げ、陽川をブレーキの利いたカーブで見逃し三振。本番さながら、きっちり要所を締めた。
佐々岡監督は「順調に来ていると思う。さすがだなという投球を見せてくれている。期待は非常に大きい」と絶大な信頼を寄せる。「結果にこだわってやっていきたい」と次回登板へ意気込んだ森下。昨季の新人王が開幕投手を目指し、突き進んでいく。