カープ大瀬良、3年連続開幕星ならず 魔の八回「粘り強く切り抜けていけば」
「広島6-7中日」(26日、マツダスタジアム)
マウンドを降りた広島・大瀬良大地投手(29)は、ベンチを出て塹江とケムナをそれぞれ出迎えた。自身が託したバトン。エースとして、投手主将としての責任感は、降板後の振る舞いに表れていた。「ああいう形で塹江とケムナに(出番を)回してしまったので、すごく申し訳なさを感じます」。7回1/3を6安打4失点(自責点2)。試合後は敗戦に唇をかんだ。
球数は七回終了時点で67球と、完封も視界に入るペース。だが、4点リードの八回につかまった。先頭の木下拓に右中間二塁打。この試合初の長打を浴びると、その後1死満塁で2番・阿部に左前適時打を許した。七回までとは異なり、ボール先行で打者有利のカウントで勝負を強いられ、主導権を握られた。
左翼・松山の失策も絡んで2点差に迫られて、無念の途中降板。「何とか粘り強く切り抜けていけば、試合展開も全然分からなかったと思うので」。あとひと踏ん張りできなかったことを悔やんだ。
昨年9月5日以来の公式戦登板で、開幕戦での3年連続白星はつかめなかった。それでも独特の緊張感が漂う中、七回まで披露した快投は色あせない。「1年間ローテーションを守って、チームのために頑張りたい」。戦いは、まだ始まったばかり。勝って笑える日を目指して、エースが次戦に臨む。