鈴木誠也V打 今季初安打がカープに初勝利「食らいついた」奮闘ルーキーに応えた
「広島4-1中日」(27日、マツダスタジアム)
どんな形であれ、走者をかえす。それが4番に座る男の使命。鈴木誠が懸命に腕を伸ばして放った打球は、三遊間を抜けた。「追い込まれていたので、何とか食らいついていきました」。今季初安打は、決勝適時打。バットでチームの今季初勝利を呼び込んだ。
同点の四回。無死一、二塁で「バットに当たればいいかなと。三振だけはしないように」心掛けた。フルカウントから、柳の外角低めカットボールを、最後は左手一本でバットに乗せた。左前適時打で今季初めてHランプをともし、ファンとベンチを沸かせた。
期する思いがあった。前日の開幕戦は二回2死満塁の好機で見逃し三振。負けず嫌いの男。心は静かに燃えていた。「きのう満塁で打てなかったので。ああいったことを反省しながら次、(好機で打席が)回ってきた時はしっかり打てるように」。一夜明け、借りを返す姿が頼もしい。
この日はドラフト1位・栗林、同2位・森浦が初登板。「緊張しているんだろうなと。何とか守備でいいプレーができるようにと思いながら守っていました」。野手主将として、右翼から見守った。
新たな打撃フォームに試行錯誤を重ねる。「納得することというのは、あんまり1年間ないので」と鈴木誠。理想を求めながら、自軍を勝利へと導く。