広島・ドラ1栗林 ぶっつけ連投 強心臓で圧倒2K フォークなし“引き出し”多彩
「広島0-0中日」(28日、マツダスタジアム)
広島のドラフト1位・栗林良吏投手(24)=トヨタ自動車=が1回無安打無失点、2奪三振で役目を果たした。0-0の九回から登板し、中日打線を圧倒。前日27日にプロ初登板初セーブを記録した右腕はキャンプ、オープン戦を通じて初の連投でも、ピンチすらつくらない抜群の安定感を示した。
思い切り腕を振り抜いた。しびれる場面で、栗林がチームの黒星を消す。0-0で訪れた九回を、2者連続三振を含めた無安打無失点の投球で締めた。均衡を破られれば敗戦に直結するマウンドで、見せた強心臓だ。
「自分たちが押している状況で、いつ点を取ってもおかしくなかった。常に準備をしていた。しっかりと準備をした状態でいけた」
先頭の京田を1球で二ゴロ。木下拓はフルカウントから空振り三振に仕留めた。武田に対しては150キロ超の直球などで攻め、最後は外角へのカットボール。鋭く曲がった1球に、バットは力なく空を切った。
前日27日にプロ初登板初セーブを記録した。キャンプ中に連投を想定し、練習試合の翌日にブルペン投球をしたことはあっても、実戦での2試合連続登板はオープン戦でも経験がない。それでも“ぶっつけ本番”で期待に応えた右腕。佐々岡監督は「問題ない」と信頼を口にした。
投球の引き出しの多さを見せた登板でもあった。この日、投じた11球のうち、フォークは1球も使わなかった。「きょうはカットの調子が良かったので、捕手がカットの選択をしたんだと思う」。直球に加え、カーブとカットボールで配球を組み立てた。1球種に頼らない投球は大きな強みだ。
前日にマークしたプロ初セーブの記念球は、妻・沙耶さんとの「2人の宝物」として自宅に飾った。球場で試合観戦した父・秀樹さんからは「ナイスピッチ」、「マツダスタジアムで結果を出せて良かったね」と言葉をかけられたという。
抑えは勝敗を左右する重要な役割だ。新守護神は開幕カードでかけがえのない経験を積んだ。30日からの阪神戦でも堂々とマウンドに立ち、チームの勝利に貢献していく。