広島・森下 阪神・佐藤輝封じる「打たれないように意識」虎キラーが勢い止める!
広島の森下暢仁投手(23)が29日、マツダスタジアムでの投手指名練習に参加し、虎退治に意欲を示した。30日の阪神3連戦初戦に先発する右腕は昨季、4試合に投げ、無傷の3勝、防御率2・25と虎キラーぶりを発揮。ヤクルトとの開幕カードで3連勝し、勢いに乗って広島へ乗り込んでくる相手だが、ドラフト1位・佐藤輝(近大)らを封じて、チームを勝利に導く。
緑の芝生の上で、森下の笑顔がはじけた。自身にとっての開幕戦を翌日に控えても自然体だ。大瀬良とキャッチボールやショートダッシュなどで調整。キャンプからこの日を目指してきた。準備は整った。
「ここからが自分のスタート。自分にとっても良い流れをつかめるようにやっていきたいなと思います」
対峙(たいじ)するのは開幕3連勝と波に乗る阪神だ。特に打線は、3試合で21点を奪うなど絶好調。右腕は「すごく打っている。いい雰囲気でやっていると思う。打っている打者を抑えられるようにやりたい」と静かに闘志を燃やした。
注目が集まるのがドラフト1位・佐藤輝との対戦だ。2月21日の練習試合で初対戦した際には、初回に右中間を破られる二塁打を許した。
大学日本代表では同じユニホームを着た旧知の仲。1学年下の長距離砲は27日に神宮のバックスクリーンへプロ初安打初本塁打となる驚愕(きょうがく)のアーチをたたき込んだ。「どの球でもしっかりと振ってくる印象。そこでムキにならずに。場面、場面で対応してくると思うでの、自分が打たれないように意識して投げたい」と力を込めた。
10勝挙げて新人王に輝いた森下は昨季、阪神戦4試合に先発し、1完封を含む3勝をマークした“虎キラー”だ。それでも「全然違う雰囲気というか、違うチームになっていると思う。(相性は)あまり気にせずやっていきたい」。自分の投球をすることだけに集中、思い切り腕を振り抜くだけだ。
6連戦初戦の火曜日を託された。各球団のエース級と投げ合う試合も多くなり、初戦は阪神・西勇と投げ合う。試合をつくることと同時に救援陣の負担軽減もテーマ。昨季は18試合中、7回以上を投げたのは実に12度、5回未満でマウンドを降りたのは一度だけだ。
「休み明けで、ここからのカードもいい流れをつくっていけるようにしたい」。ロケットスタートを決めた猛虎を止めれば、チームに勢いがつく。森下が上昇気流を生む。