カープ森下に望むものは最多勝&沢村賞「早いかもしれないけど」レジェンドがハッパ
広島・森下暢仁投手(23)が好スタートを切った。阪神、ヤクルトに連勝して、いまだ無失点(12日現在)。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「新たな目標を定めたほうがいい」と語り、昨年の新人王に続く最多勝&沢村賞の獲得に期待した。
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まだこのような話をするのは早いかもしれないけど、森下は去年、新人王を獲得したわけだし、今年もどん欲に新たな目標を定めて狙って欲しい。
たとえばタイトルで言うなら最多勝とか、あるいは特別賞の沢村賞であるとか。彼にはそれらを狙えるだけの素養があると思うし、それくらいの気持ちで投げてほしい。
新人王をとって満足し、翌年以降、伸び悩む選手も多いからね。
とにかく球筋が安定しているのがいい。コントロールがいいから、打者の内角をグイグイ攻めていける。
勝負球と決めたその1球でカタをつけることが多いから、極力、球数を抑えることができる。必然的に投球回数を増やすことにつながっていく。
制球力に乏しい投手は内角に投げるのを怖がるから、外角中心の投球になる。そうなると配球を打者に読まれやすくなるし、ファウルで粘られて球数も増えていく。
その点、森下は対阪神(1)戦でも見せたように、あの優しい顔つきからは想像もつかないほどの、内角を強気に攻めていく度胸も兼ね備えている。
腕を振り切り、あのスピードで、あのコントロールされた高さに来るから、真っすぐと分かっていても、なかなかバットに当たらない。
1年目だった去年は手探りで始まったはずだ。“この球に対してどう反応してくるのだろう”とかね。それが分かりだして、自分の球に自信がついたのだろう。カーブの使い方もうまくなっていったね。
この世界で先発投手をしていれば、当然、最多勝や沢村賞を取りたいという思いはもっているはず。それを本気で狙っていけばいい。
去年は大黒柱の大瀬良が滑り出しから完投するシーンが続き、「これは沢村賞を取るかもしれないぞ」と感じていた。ところが、残念なことに故障してしまった。
今年は手術の影響も感じさせず、ここまで2勝。大瀬良には最多勝の経験があるが、ひじの調子が順調なら、完投能力を備えた投手に与えられる沢村賞も狙ってほしい。
カープには最多勝と沢村賞を獲得できるだけの実力ある投手が2人もいる。お互いに刺激し合い、投手陣の両輪としてチームを引っ張っていってもらいたいね。
チーム内でタイトルを狙って切磋琢磨できるなんて最高ですよ。