広島・九里 報われない7回3失点 援護なし“鯉”軍奮投も自身4連勝ならず
「中日5-0広島」(17日、バンテリンドーム)
無傷の4連勝とはならなかった。先発した広島・九里亜蓮投手(29)は7回を投げて6安打3失点。粘りの投球を見せつつも今季初黒星で、自身の開幕からの連勝は3でストップした。チームは打線が振るわず、16三振を喫して今季4度目の完封負け。一日で勝率5割に逆戻りした。
最後のひと踏ん張りができなかった。最少失点で我慢を続けていた九里にとって、悔しさが募った終盤の2失点。「七回で2点取られたので。ああいった場面は、もう少し粘り強く投げないといけないなと思いました」。自身初の開幕3連勝で臨んだ一戦。連勝は止まり、今季初黒星を喫した。
右腕が悔やんだのは0-1の七回。連打で無死一、二塁となり、6番・三ツ俣の投前へのバント処理で三塁へ送球した。だが判定はセーフとなり、犠打野選で無死満塁のピンチ。1死後、根尾に右前適時打を浴びて大きな2点を追加され、流れは完全に相手へと傾いた。「(三塁への送球は)自分の判断だった。しっかりアウトにできなかったので、そこは反省です」と唇をかんだ。
ただ、立ち上がりから持ち味は発揮した。直球にツーシーム、チェンジアップ、カットボールなどを交えて三回まで1四球のみの無安打投球。ベース上で微妙に球を動かし、中日・柳と互角に投げ合った。四回、先頭・大島に初安打を浴び、1死二塁から福留に右翼線へ適時二塁打。先制点こそ献上したが、傷口を最小限に食い止めようと必死に腕を振った。
五回は1死一塁で根尾を遊ゴロ併殺。六回は2死から京田に四球、自身のボークで得点圏に走者を進めたが、後続を封じた。7回を6安打3失点で今季初黒星も、開幕から4試合続けてQS(6回以上、自責点3以下)を達成。この日は打者28人中20人に対して初球ストライクで、球数も六回終了時点で67球とプラス材料もあった。
佐々岡監督は「粘り強く投げた。(七回の続投は)当然。球数も(少なく)1点差でもあったし、ここは自分で(勝負を担うと)ね」と右腕の粘投を評価した。
大瀬良が離脱し、森下とともに先発陣の軸として期待される存在。「キャンプ時から、何とかチームを引っ張っていきたいと思ってやっている。これからも引っ張っていけたら」と九里。責任感を力に変えて、次戦への準備を整える。