ドラ1栗林 広島に9日ぶり勝利「貢献したい」 修正加え新人3人目の5月10S

 9回をピシャリと抑えて磯村(右)とグータッチを交わす栗林(撮影・開出牧)
 9回、マウンドで躍動する栗林(撮影・開出牧)
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 「ロッテ8-10広島」(28日、ZOZOマリンスタジアム)

 広島のドラフト1位・栗林良吏投手(24)=トヨタ自動車=が1回無安打無失点で節目の10セーブに到達した。球団史で、新人の2桁セーブは佐々岡、小林、永川に続き4人目。また、新人が5月までに10セーブ以上を手にしたのは、04年・三瀬(ダイエー)、15年・山崎康(DeNA)に続き史上3人目の快挙だ。右腕がまた1つ球界に名前を刻んだ。

 敵地のマウンドは栗林のものだった。九回2死。最後はマーティンをフォークで見逃し三振に仕留めた。安定感抜群の1回完全投球。記念すべき10セーブ目を、開幕から19試合連続無失点という最高の形で飾った。

 「勝ちたいっていう気持ちが一番だったので、勝てる投球をと思って上がりました」

 両軍打線がつながり10-8で出番が来た。先頭の代打・山口はフルカウントから中飛。続く荻野に対しては2ボールとボールが先行した。それでも直球頼みにならないのが右腕の強み。カットボールでストライクを奪うと中飛に打ち取った。

 ZOZOマリンでの登板は初めてだった。10メートル以上の強風は味方になり、敵にもなる。「フォークがいつもより(思ったところに)いかなかった」。初めて直面した、難しい状況の中で修正しながら右腕を振る。技術の高さと精神力の強さを示してみせた。

 節目の10セーブ。球団史上、新人2桁セーブは佐々岡、小林、永川に続き4人目だ。さらに新人が5月までに10セーブ以上を手にしたのは04年・三瀬(ダイエー)、15年・山崎康(DeNA)以来、3人目。球界史にまた1つその名を刻んだ。

 開幕から期待に応え続け、コロナ禍で苦しんだチームに9日ぶりの勝利をもたらした。佐々岡監督が最敬礼する投球内容と結果だ。10セーブ目の記念球はプロ初勝利を手にした森浦に手渡した。

 新型コロナウイルスの陽性者が出たことでチームは苦しい状況に立たされた。先発ローテでは九里が陽性判定を受け、森下と高橋昂が濃厚接触者に判定された。

 森下とは連絡を取り合い励まし合った。「暢仁が帰ってくるまで頑張るから、帰ってきたら頼むぜという話をしました」。背番号「18」の思いも背負って立つマウンドだ。

 「9セーブでずっと止まっていた。2桁いったので、これからセーブシチュエーションもそうですけど、自分もしっかりチームの勝ちに貢献したい」。守護神はそう言って前を向いた。快進撃は止まらない。

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