広島・林、プロ1号!高卒3年目、13打席目 未来の主砲候補だ コロナ禍鯉に存在感
「ロッテ7-3広島」(29日、ZOZOマリンスタジアム)
将来の主砲候補だ!広島の林晃汰内野手(20)が二回に右中間へ1号ソロを放ち、通算13打席目でプロ初本塁打を記録した。チームは逆転負けで、今季交流戦初黒星。5位に転落したが、左の長距離砲として飛躍が期待される高卒3年目の活躍は、明るい材料となった。
力強く振り抜いた打球は右中間席へ吸い込まれた。林はさっそうとダイヤモンドを一周。三塁ベンチではチームメートから頭をたたかれる手荒い祝福を受けると、笑顔をはじけさせた。高卒3年目、通算13打席目でのプロ初本塁打に「うれしいです!!」と声を弾ませた。
甘い球を逃さなかった。0-0の二回2死で、美馬の真ん中カットボールを強振。快音を響かせた打球は、ラッキーゾーンの「ホームランラグーン席」に着弾した。変化球に狙いを定め、直球はカットするという意識で放った先制1号ソロ。「詰まったんですけど、風もあったので」と控えめに振り返った。
佐々岡監督は「(スイングの)強さが出てきているし、楽しみ」と評価し、「十分ありますよ」と今後もスタメンで起用する可能性を示唆した。
チャンスを逃すまいと日々奮闘中だ。チーム内のコロナ禍により、18日の巨人戦から急きょ今季初昇格。同戦で2安打1打点と活躍し、27日の西武戦でも代打で中越え二塁打を放った。ここまで3試合で8打数5安打、打率・625と猛アピールを続けている。
開幕は2軍。試行錯誤する中で、以前まで上げていたグリップの位置を下げた。「シンプルにバットを出すために1軍に上がる前からやっていた」。東出2軍打撃コーチからは「打てなくても内容のある打席を増やしていけばいい」と助言を受け、「1打席1打席を大事にして対応できるようにしてきた」。結果を反省し、自身へのフィードバックを心掛けた事がプロ初アーチにつながった。
悔しさを味わった仲間の思いもバットに宿している。同期入団で同級生の小園、羽月は新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱中。羽月とは連絡を取り、「対戦相手の事とか、どうやって打席に入っているかを聞きました」と仲間の助言を打撃へ生かした。
五回1死も左前打を放ってマルチ安打。20歳の若武者は「負けないように。自分のスイングをしっかりできるようにしてきたい」。智弁和歌山時代には高校通算49本塁打を放った将来の主砲候補。長打量産を図り、ブレークを目指していく。