西川龍馬V打!カープ5・14以来のマツダ星 「主力がいないからカバーしないと」
「広島3-0日本ハム」(2日、マツダスタジアム)
広島は投打がかみ合って日本ハムに零封勝ちし、連敗を3で止めた。立役者は西川龍馬外野手(26)。0-0の六回に先制の2点適時打を放ち、これが決勝点となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響でチームは5試合を延期していた中、自身7試合連続安打と好調をキープ。チームも5月14日・DeNA戦以来、本拠地で久々の白星を飾った。
打球が左翼線の内側で跳ねると、球場全体が大きく湧いた。チームをトンネルの出口にいざなったのは、西川のバット。チャンスで快音を響かせる姿が頼もしい。「今いるメンバーでやるしかないのでね」。ベンチに活気をもたらし、ファンを笑顔にした適時打が勝利へ導いた。
ハイライトは0-0の六回だ。2死一、二塁の好機で相手先発・加藤から左翼線へ、先制の2点適時二塁打。追い込まれてからファウルで2球粘り、7球目の直球を捉えた。「とりあえずバットに当てることだけを考えていた。何とか食らいついて良かった」。これで7試合連続安打。交流戦もここまで全6試合で安打をマークしており、中軸としての役割を果たしている。
漂い始めた嫌なムードも払しょくする一打だった。六回は先頭の代打・堂林が左翼フェンス直撃の二塁打、菊池涼のセーフティーバントが内野安打となり、無死一、三塁に。だが2番・宇草がセーフティースクイズを敢行するも、三走・堂林が三本間でタッチアウト。続く中村奨は見逃し三振に倒れていた。
無得点で終われば、確実に流れが相手に傾く場面。だからこそ、決勝点となった一振りには価値があった。新型コロナウイルス陽性者発生の影響で主力選手を欠き、若手の先発出場が目立つ。若鯉の活躍は「頼もしい」と目尻を下げ「(試合に)出たてのミスはしょうがないので、ミスを恐れずにどんどんやって、いい結果を出してほしい」。失敗を怖がることなく、積極的なプレーを願った。
連敗を「3」で止め、5月14日以来となる、マツダスタジアムでの勝利をもたらした働き。佐々岡監督も「あそこはバントミスが出て嫌な流れだった。2点入ったのは大きかった」とたたえた。
この日は菊池涼が1軍復帰し、すぐさま存在感を発揮。「心強いですよね。僕からしても、チームからしてもデカいと思う」と話し「主力がいないからカバーしないと」と、改めて意気込んだ。チームのピースが完全にそろうまで、懸命に穴を埋めていく。