広島の選手起用に北別府氏が異論 「相手が嫌がる采配」で得点力を上げるべき
楽天に3連敗を喫した広島に再建の余地はあるのか。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「調子のいい選手を優先的に使って相手の嫌がる采配を」と語り、投手の右左で打者を入れ替える起用法に異論を唱えた。(記録は7日現在)
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右投手には左打者、左投手には右打者をオーダーに並べる起用法があるが、私はあまり好まない。
基本的には、当たっている好調な選手を優先的に使う方が、結果が出るのではないか。そう思ってます。
5日の楽天戦では野間が先発出場し、田中将大から2安打したのに、次の日は控えに回った。おそらく左腕の早川が先発したからだろうが、何か惜しい気がしたね。
2安打もしたのだからタイミングが合っていただろうし、いいポイントで打てていたはず。そんな時はどんどん使わなきゃもったいないよ。
もちろん中軸になる選手は右も左も関係ないが、固定化されていないポジションでは現状、この“方程式”にこだわった起用法が多い。
投手の立場からしたら、私自身、右打者でも当たっている選手は嫌だったからね。相手投手に嫌だなと思わせるような采配をぜひともお願いしたい。
過去の対戦データを考慮に入れる必要はあるけど、左投手であっても当たっている林や坂倉を使う手もあると思うし、逆に右投手に中村奨や堂林をぶつけてもいい。勢いには魅力がある。
今はヒットが出ているのに得点できず、重苦しい空気が漂っている。チーム打率はセ・リーグ一というか、交流戦では12球団一なのに、得点能力は最下位クラス。これではなかなか勝てない。
チーム防御率も悪化しているが、アンバランスなのは攻撃面における数字。
去年よりも機動力を使っているのは分かるが、その一方で塁上での憤死も目立つね。
5日の試合では林が空振り三振したのと同時に三塁走者の小園が飛び出し、併殺になった。スイング動作に入った瞬間にスタートを切るという不思議な走塁ミスだった。何かサインでも出ていたのかな。
とにかく広島らしい細かい野球ができていない。若いから、経験が浅いからではファンに許してもらえない。プロですからね。もっと練習しなさいということ。
それと気になるのが鈴木誠也の打順。シーズン途中に4番から3番に変わった。
過去にもあったことだが、私はチームの顔である4番は、打線のつながりが悪いというような理由で、コロコロ変えない方がいいと思っている。
今は彼特有の凄みが消えているのも確かだが、中心選手であることに変わりはない。腰の座った打線。それは誠也が4番に落ち着くことだね。
借金8。でもまだ折り返しにも到達していないのだから必ず巻き返せる。
その責任はベンチにあるのだから、一つひとつのプレーの意味を再度選手に理解させ、そしてゲームに臨んでほしい。