カープ玉村 5度目先発でプロ初勝利 20歳左腕の10K快投で最下位脱出

 「DeNA4-7広島」(18日、東京ドーム)

 苦しむチームに新星誕生だ!プロ2年目の広島・玉村昇悟投手(20)がうれしいプロ初勝利。プロ初登板から5度目の挑戦で、7回6安打2失点と好投した。プロ入り最多の10三振を奪う力投で、らしさも発揮した。チームの先発投手に白星が付いたのは5月19日以来、1カ月ぶり。リーグ戦再開初戦を白星で飾り、最下位を脱出した。

 届きそうで届かなかった白星を、玉村がようやく手中に収めた。もう、悔しい思いはしたくない。プロ初黒星を喫したDeNAからつかんだうれしい白星。遠回りした分だけ、喜びも格別だ。「やっと勝てて良かった」。敵地のファンから温かい拍手を受け、はにかみながら帽子を取った。

 初回2死一、二塁で宮崎に先制適時打を浴びるも、最少失点。その直後は2死一、三塁で左前適時打を放ち、自身のバットで同点にした。「何としても振り出しに戻そう」と気持ちを込めてバットを振り抜いた。

 投球ではストライクゾーンを目がけ、直球を臆することなく投げ込んだ。変化球は低めに集め、打者の打ち気を逆手に取って四回以降は無失点投球。六回は2死一塁から代打・知野をこの日の100球目で空振り三振。拳を握って声を上げた。

 七回も続投し「きょうはいけるぞ、と思った」。手応えを感じながらの115球。先発投手に白星が付いたのは5月19日の九里以来、1カ月ぶり。チームの負の連鎖にも終止符を打った。

 福井県越前市出身の20歳。小学3年から野球を始めたが、実は大の恥ずかしがり屋。「みんなピッチャーのことを見るから恥ずかしい」と母・小由美さんにつぶやいた日もあった。十数年の時を経て、目立つことが嫌な青年が1軍舞台で輝きを放った。

 2年前の新人入団会見では、出身地の名産品・越前ガニを用い「越前ガニも(広島と)一緒の赤。その赤に負けない投手になりたい」と話し、会場を沸かせた。赤い闘志を燃やした力投に佐々岡監督も「七回まで投げてくれたのが大きかった」と賛辞を贈った。初適時打と初勝利。2つの記念球は、福井の実家へ贈るという。「もっともっと勝てるように」。控えめな青年が、敵地で貪欲に誓った。

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