広島 森下で4カードぶり勝ち越し 9戦連続QS「次は初回からゼロ」

 力投する森下(撮影・飯室逸平)
 5回、逆転2点二塁打を放った坂倉(右)とタッチを交わす(撮影・飯室逸平)
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 「広島4-3阪神」(4日、マツダスタジアム)

 広島の森下暢仁投手(23)が6回8安打3失点と粘投し、5勝目を飾った。これで自己最長の9試合連続クオリティー・スタート(6回以上自責点3以下)を達成。苦しい投球の中でも安定感が光った右腕がチームに4カードぶりとなるカード勝ち越しを呼び込んだ。

 しびれる場面をしのいだ森下はポンポンとグラブをたたき、はにかんだ表情を浮かべた。毎イニングの8安打を許しながらも6回3失点にまとめた右腕は苦しみながらも5勝目をたぐり寄せた。

 初回、先頭の近本に右翼線三塁打を浴び、糸原の一ゴロの間に先制点を献上。開始わずか3分で失点した。これで3試合連続となる初回に失点。「最近同じようなことを繰り返しているので、本当になくしていきたい」と反省の言葉を並べた。

 三回は2死一塁からサンズに甘く入ったチェンジアップを捉えられ、左越え2ランを被弾。「高さを自分が間違えたかなと思う。状態のいい打者が並んでいる中でそこでつながれると苦しくなる。もしまた対戦する機会があれば抑えたい」と次回のリベンジを誓った。

 それでも大崩れをしないのはさすがだ。四回1死二、三塁では梅野を右邪飛、代打・原口を右飛。五回も無死満塁となったが、ここから森下の真骨頂だ。ギアを上げ、1死後、前回4月14日の対戦では本塁打を浴びたルーキー・佐藤輝を「しっかりと投げきることができた」と3打席連続三振。続く大山を林の好守もあり、三ゴロに抑えた。「林が助けてくれた。本当にみんなが守ってくれていると実感しています」とナインに感謝した。

 佐々岡監督は「立ち上がりはまだまだ調整してほしいが、四、五回の粘りの投球。あそこで点をやらないというところが森下のすごさだと思うし、最低限の六回まで投げてくれた」とたたえた。

 これで自己最長の9試合連続クオリティー・スタート(6回以上自責点3以下)を達成。いかなるときも試合を作れるゲームメーク力は頼もしい限りだ。

 チームは接戦を制し、4カードぶりのカード勝ち越しを決めた。お立ち台に上がり、「ふがいない投球ばっかりしているので、次は初回からゼロを並べられるように、チームが勝てるような投球をしていきたい」と意気込んだ昨季の新人王が課題の立ち上がりを克服し、勝ち星を積み重ねていく。

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