広島・大道 ヤクルト戦連敗止めた!自己最長7回0/3を2安打無失点で4勝目
「ヤクルト0-5広島」(10日、神宮球場)
圧巻の投球を披露した。先発した広島のドラフト3位・大道温貴投手(22)=八戸学院大=が自己最長となる7回0/3を2安打無失点の好投。チームのヤクルト戦の連敗を8で止め、自身4勝目を挙げた。先発ローテの一角を担う頼もしいルーキー。後半戦も白星を重ね、鯉党を喜ばせる。
心配そうにグラウンドを見つめる表情が一瞬で笑顔に変わった。自らが招いた大ピンチを救ってくれた新助っ人のバードとコルニエルを拍手で出迎えた大道は「抑えてくれると思って見てました」と白い歯をこぼした。
この日の右腕は全く手がつけられなかった。「感触は良かった」と話すキレのある140キロ台の直球と低めのスプリットが効果的に決まり、ヤクルト打線から凡打の山を築いた。2死から中村に中前打を浴びた二回以外は七回まで全て三者凡退。無四球投球の快投で二塁を踏ませず、回を追うごとにワインドアップの立ち姿がひときわ大きく感じられた。「ストライク先行が良かった」と好投の要因を振り返った。
八回は先頭のオスナに左前打を浴び、中村の三ゴロを三好が失策。サンタナに初めて四球を許し、無死満塁となったところで交代。惜しくも初完投初完封は逃したが、89球の省エネ投球で自己最長の八回途中まで投げられた点は大きな財産となるはずだ。「全部が初めてなので。六回、七回を投げ切れたのも初めて。どんどん進歩しているのかなと思う」と内容を前向きに捉え、手応えを口にした。
佐々岡監督も「投げっぷりの良さが彼のいいところ。ちょっと逆球もあったけど、球の強さがあったと思う。打者も詰まっている感じで、球が生きていた感じ。ストライク先行だと自分有利な投球ができる」とたたえた。
右腕の活躍でヤクルト戦の連敗は8でストップした。開幕時はリリーフを任されたが、チーム事情もあって6月11日のオリックス戦から先発に転向した大道。先発と中継ぎで登板した前半戦の経験は今後に向けて確かな収穫となった。「まだまだ楽しみがいっぱいある。次はまた違った反省だったり、いいところが出てくると思うので、楽しみながら頑張りたい。1カ月あいてからの投球だと思うので、また気を抜かずにやっていきたい」。快速王子がシーズン後半戦も鯉党を熱狂させていく。